友人と2人でチャレンジした燧ケ岳へのSea to summitが終了し、登山口からの帰宅ライドが始まった。
下山と同時に雪が降り始め、瞬く間に辺りは真っ白に。友人の脚も限界で膝の痛みあり……となかなか厳しい状況のなか、辛楽しい冬の福島ライドとなった。
<目次> 1.濡れる雪の辛さ 2.計画変更 3.雪景色ライド 4.Sea to summit終了!
1.濡れる雪の辛さ
前回まではこちら
登山が終了し、荷物をバイクにパッキングしていく。撤収中に雪がどんどん強くなって、一瞬でバイクが真っ白になった。
バックの中に雪が入らないように払いながらパッキングを進めるが、それでもこの有様である。
「う~ん、この姿の愛車もカッコいい!!」
―とか写真を撮りつつも、自分にも同じだけ雪が積もっていくので穏やかではない。厄介なのが気温が2℃ほどと高いせいで、自分に積もる雪が少しずつ溶けていくこと。
上下のウェアはGore-Texのハードシェルなので問題ないが、首元や耳、手が浸水してきて辛い。
たまらず帰路に就くが、当然登山口からはダウンヒル。手や首が濡れているこの状況での下りは、言うまでもなくしんどい。
なんだろう、写真にするとすごく雰囲気があっていい感じなんだけど、実際は辛さ7割楽しさ3割(笑)。特に友人はリムブレーキなので、この状況での下りはどれだけ辛いだろうか……。
とはいえ、冬の北海道と違って凍傷や低体温症になる気温ではないので、まだ楽しんでいられる余裕がある。
路面状況に気を遣いながら、またドライバーさん方に驚かれつつ応援されながら、街へと下っていった。
2.計画変更
ちょっとウェアを追加で着たかったのと、後ろから見ていても友人の膝の状態が悪そうなので道の駅に入って作戦会議。ありがたいことにストーブがあり、濡れたグローブを乾かすことが出来て本当にうれしかった。
自販機でコーンスープを買い、暖まりつつ状況を整理。
当初の予定ではこの後100㎞ほど先のキャンプ場まで走って焚火キャンプだが、それはどう考えても無謀……。天候もそうだけど、恐らく友人はこの膝の状態で100㎞走ることはできない。
同様の膝痛は僕も何度かツーリング中に経験していて、原因は脚の使い過ぎ。安静にしていれば治るが、逆に痛みを我慢すると悪化し最悪手術とかになりかねない。ここは無理しないのが肝要だ。
話し合った結果、キャンプの予定はキャンセルし、そのまま最寄り駅で輪行帰宅することに。
帰宅方向は南北に分かれ路線的にも最適なルートがかなり異なったので、泣く泣く峠を下りきったところで別々の道へ進むことにした。本当は焚火を囲みながらいろいろ話そうかと思っていたんだけど……諸々を考えると仕方がないので、また次回の楽しみに取っておくとしよう。
毎度のことだけど、辛さは僕が感じているものより圧倒的に大きいだろうに、黙々と進み続けるこいつは凄いと思う。今回も僕の頭がおかしい企画に付き合ってくれてありがとう。
3.雪景色ライド
友人と別れてからは、輪行駅まで一人旅。時刻は既にお昼を回っているので、とりあえず100㎞くらい先の会津を目指すことにした。あんまり日が落ちで時間が経ってしまうと路面が凍って走行不能になりかねない。
―と、さっさと帰ろうと思っていたところ、思いがけず綺麗な雪景色に出会ってしまった。
あぁ、美しい。
僕は木の枝と雪の細かな模様が好きで、なんだか見とれてしまう。雪ならではの静けさに、凛とした冷たい空気と底なしに感じる奥行き感があるのだ。
綺麗なのにどこかゾクッとする……そんな畏怖する世界が雪景色だと思う。
パッキングした自転車+雪景色って滅茶苦茶カッコいいと個人的に思っていて、もう最高である。
ちょっと悔しさと消化不良感を抱えて走っていたところ、嬉しいサプライズだった。この景色を友人と走れたらなぁなんて思いつつ、凍結に注意しながら下って行った。
4.Sea to summit終了!
雪景色にテンションが上がったのと、日が落ちてから星空が綺麗だったので、どうせならと会津のおとなり郡山まで走ってしまうことにした。距離も+40㎞ないので、クールダウンが追加されてちょうどいい。
予定外にナイトライドが増えてバッテリーを消耗してしまったのと、キャットアイの予備カートリッジが満充電されていなかったらしく、途中でライトがバッテリー切れになってしまった。
そこで役立ったのが先日手に入れたRN1500で、これはキャトアイと違って外部バッテリーで駆動させることが出来る。
「別にコード刺しながら走ることなんてないでしょ」と思っていたけど、今回は本当にこの機能に助けられた。これがなかったら、再充電まで微力なヘッドライトで走る羽目になるところだ。
気温は下がり、道路標識もマイナス4℃に。冬山装備で走っているのでこのくらいがちょうどよく、冬季北海道ライドへのいい調整にもなってありがたい。
今年の冬はどんな雪道ライドにしようかと思案しながら、のんびりと峠を越えていった。
そして、郡山へゴール。輪行して帰宅し今回の燧ケ岳Sea to summitのすべてが終了した。
今回は友人と行う初めてのSea to summitで、残念ながら登頂はならず。それでも、久しぶりに旅感あふれるツーリングを友人と楽しめたので個人的には満足だった。
装備や自分の脚力の確認もできて、有意義な調整にもなった。こんな遊びを一緒に楽しんでくれる友人に感謝し、この記事を締めくくりたい。
おわり
<燧ケ岳Sea to summitの記事はこちら>