ツーリング記

目指せ東北最高峰!冬の燧ケ岳(2,356m)へ海から自転車でチャレンジしてみた【登山編】

僕は友人と2人、冬の東北最高峰『燧ケ岳(ひうちがたけ)』へ海から自転車で登るというチャレンジをしてみた。

昨日は、福島県いわき市から登山口までの230㎞を走行。いよいよ今日登頂を目指す。体力も天候もよくないが、果たして登頂できるのだろうか……?

<目次>
1.昨日の疲労
2.登山開始!
3.夜明けと決断
4.帰路

昨日の自転車編はこちら(↓)

 

1.昨日の疲労

3時過ぎに起床し、朝ご飯の準備に取り掛かる。あまり時間はないので、ジェットボイルでお湯を沸かしてインスタントご飯をさっさと用意。

軽いし早いし美味しいし、フリーズドライ食品は本当に便利だ。こういうスピード重視系の登山にももってこい。そして、ジェットボイルの湯沸かし速度の早さも相まって、最近の僕の中での最強の組み合わせになりつつある。

 

朝ご飯を食べつつ、今日の予定を友人と確認。

4時発で登山を開始し、登頂を目指したのち12時までには下山。パッキングを済ませたら100㎞先のキャンプ場まで走って、そこでまた1泊だ。夜間も雪やみぞれが降っていたのと、今日の天候もよくない(午後から更に崩れ、明日にかけて雪が降る)ので、積雪による遅れが懸念される。

友人に調子はどうかと聞くと、やはり昨日の疲れが残っているよう。そりゃそうだ、「人生で一番つらいライドだ」なんて言っていた翌日なんだから、5時間睡眠で疲れが抜けている方がおかしい。

帰宅までの時間も割とかつかつなので、登頂し時間通りキャンプ場にたどり着くには終始それなりのペースでの行動が求められる。これは厳しいかもな……と思いつつパッキングを済ませテントを出た。

 

 

2.登山開始!

いよいよ登山開始。夏道で往復コースタイム6〜7時間+林道往復2時間と、わりと短めなルート。だけど、積雪があるので時間を食う。

まずは林道の積雪が多い区間を歩いて山荘まで行き、そこから登山道に入る。夏にロングライドのルートに組み込んでも面白そうだなぁという林道だった。

雪はチラついているけど、天候はまだ大丈夫そう。ヘッドライトの明かりを頼りに先へ進む。

登山口からはいきなりの急登。積雪は靴が埋まるほどと大したことないが、岩が雪に隠れるのでステップをどこに作るかが難しい。

そして、ルートもパッと見で区別がつきにくくなる。草木も岩々もルートも、等しく雪が覆い隠してしまうためだ。数mの微妙なロストを2回してしまったのが個人的な反省で、GPSを持っていない友人の方がコース取りが正確なのは流石……。

その友人だが、やはり相当脚にキているらしくスローペース。急登、しかも雪で滑るとなると脚力消耗が激しいので、苦しい区間だろう。

気温は高く、体感で0〜マイナス5℃くらいだろうか。周りの水分は放っておくと凍るが、ペットボトルの水は凍らないくらい。

 

3.夜明けと決断

登るうち、段々と空が明るくなってきた。

青空は見られないかと思っていたけど、やはり夜明けは山のボーナスタイム。この時間だけは雲が少なかった。

朝日に照らされる雲や山肌が美しい。冬山はこのコントラストがまた良くて、夏山では感じられない世界だ。

こうして下を見ると斜度感がすごい。

急登ということもあるだろうけど、友人とのペース差がどんどん顕著になってきている。このペースだと予定的に登頂したところで帰れずタイムアウトなので、いったんどうするか相談した。

友人曰く「脚の疲労的に厳しい。膝に痛みも出てきた」と。

ここで無理してもいい結果にはならないので、残念ながら2,000mの少し下あたりで撤退を決定。

「一人で登ってきてもいいよ」とも言われたけど、計画にないパーティー分断はNGだし、何より僕は登頂できなくとも既に結構満足だったので断った。昨日の自転車編でも書いた通り、これはこれで面白いと感じていたのだ。

正直、僕自身は余裕があったから別に登れただろうと思う。だけど、登頂やスピードを求めるのはソロでやるべき事だとも思っている。

ここまで来て悔しさはあるけれど、それ以上に一緒に歩けた楽しさが大きかった。あの上からの景色は、次のお楽しみということにしようじゃないか。

 

4.帰路

さて、撤退と決めたら降りるのみ。開けたところで小休憩ののち下山を開始する。

ちょうど下山時に一番晴れ間が出てくれて、気持ちのいい下りとなった。

ちなみにこの道、木道が整備されているらしくその上を正確にトレースできれば快適に歩けるんだけど、一歩でも外すと一気に太ももまで埋まる。雪面の微妙な違いから木道を探し当てて歩くのが難しかった。

うん、やっぱり雪山は綺麗だ。

懸念していた友人の膝は下りで悪化してしまい、かなりキツそうな感じに。これは途中で降りて本当に良かったと思う。Sea to summitゆえの難しさでもあって、もし登山だけなら僕よりうまい彼は余裕だったはず。

今度はここから帰宅ライド。

下山が完了すると同時に降雪が激しくなり、みるみるうちに辺りが白くなっていった。パッキングをしながらでもバイクが真っ白になるほど……。

帰りのライドもまた大変そうだけど、せっかくなので最後まで楽しもう。

つづく

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