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ロングライドやブルべ中に効くストレッチ【疲労軽減・膝/腰/肩の痛み対策】ーHowToロングライド⑤

ロングライド、特にブルべの様に長距離を一定ペースで走る場合には、疲労で後半が辛くなったり、膝や腰、肩などに痛みが出たり…といった問題が起こる。それらの問題を予防・解決する手段として、ストレッチは非常に有効だ。

この記事では、僕が実践している「ロングライド中に行うストレッチ」についてまとめていきたい。

<目次>
1.はじめに
2.乗車しながらのストレッチ
3.信号待ちのストレッチ
4.休憩中のストレッチ
5.参考

1.はじめに

・安全に最大限に配慮して

この記事でご紹介するストレッチは「ロングライド中に行うストレッチ」、つまり乗車中に行うものや、信号待ちなどで車道で行うもの、コンビニ休憩などで行うものをまとめている。そのため、ストレッチを行う際は周囲の状況をよく確認して、安全性に問題が無いかや周囲の迷惑にならないかをよく考えることが大切だ。事故を起こしたり、サイクリストの肩身を狭めたりしてしまっては本末転倒なので、冷静で臨機応変な対応をして頂きたい。

 

・ストレッチは1回5~15秒

これからご紹介するストレッチに共通することとして、1回あたりの時間は5~15秒くらいがいい。ストレッチには30~60秒かけてゆっくり行うもの=クールダウンと、動的に行うもの=ウォーミングアップとの2種類があるが、ロングライド中はその中間くらいがいいと思う。

クールダウンのように長時間かけるとストレッチ後の筋肉のパフォーマンスが低下するし、ウォーミングアップは既に長距離を走っているロングライド中に最適とは言えないからだ。あくまで僕の経験則だが、筋肉のパフォーマンスを落とさない程度に、かつ筋疲労を軽減できるラインが5~15秒くらいなので、そのくらいを目安に実践して頂ければと思う。

 

・僕はただの素人です

僕は医学の専門家ではなくただの趣味ロングライダーなので、この記事もあくまで一個人の経験やアイディアによるものだ。なるべく調べ・実践したうえで皆様の役に立つ情報をまとめるよう心掛けているけど、絶対的なものではないので、どうかその点は悪しからず…。

 

2.乗車中のストレッチ

では、さっそく本題に。まずは乗車中に行えるストレッチから。

乗車しながら行うストレッチは、停車する必要がないので手軽に行えるしグロスペースも落とさずに済むので、ブルべなどのタイムを気にするロングライドでも重宝する。信号のない無人区間で「止まるのは面倒だけど身体が凝ってきたな…」という時なんかにもってこいだ。

先ほども書いていてくどい様だけど、乗車しながらのストレッチは特に安全に気を付けて頂きたい。ストレッチを行うよりも安全に走る方がはるかに重要なので、個人のライドスキルや疲労度合い・路面の環境・道路の見通し・後方からの車・交通量などに応じて行うことを忘れずに。

①太もも裏~脹脛

太もも裏(ハムストリングス)や脹脛を伸ばすストレッチ。立ちこぎの状態でクランクを平行に、重心をやや前にして後ろ側の脚を伸ばす。脚の裏側の筋肉や筋が硬直すると、脚の前側の腱を緊張させてしまい膝の痛み(特に前側、膝の皿辺り)に繋がる。脚を止める赤信号の手前や下りでストレッチする癖を付けると良い。

 

②脹脛~アキレス腱

①とも似ているが、こちらは前側の脚裏を伸ばしている。ポイントはかかとを落とすことで、①よりもアキレス腱や脹脛を伸ばすことが出来る。①と交互にセットで行うとスムーズ。

 

③腰~背中、腹筋

こんな風にすると腰~背筋、腹筋を伸ばすことが出来る。長時間の前傾姿勢で背中が凝ったり、腰に痛みを感じるような時に有効だ。腹筋も伸ばすことが出来るので、ヒルクライムが多く腹筋に負荷がかかるライドでも重宝する。

ペダリングを停めてもそれなりに安定して走行出来る道でないと難しいので、路面が良く緩やかな下りで行うのがベスト。また、かなりの前荷重なので不安定になりやすく、やや難易度が高いと思う。練習をしたうえで実践し、よく注意していただきたい。

 

④腰~背中~肩

今度は③と逆に、猫のように腰~背中を思いっきり丸める。腰や背筋、肩回りを伸ばすことが出来るので、長時間のライドでは欠かせない。この姿勢では重心が後ろに寄るのでブレーキングがしやすく、急なダウンヒルでも比較的安定して行うことが出来るのも特徴。

 

⑤腕、手首

ハンドルのフラット部分に、手を逆手にして腕の内側と手首を伸ばす。特にブラケットを握り続けると手首の角度が変わらず、結果的に手の痛みや腕への過負荷になりやすい。あまり凝りを感じない部分ではあるけど、意識的に伸ばしておくと手や手首の痛みを軽減できる。

 

⑥肩、腰、背中全体

写真だとちょっとわかりにくいけど、この状態で腰を左右に振ったり、背骨をくねくねさせたり、肩甲骨をぐるぐる回したりする。腰、背筋、肩、首と胴体の後ろ側を全体的にほぐせるストレッチだ。

通常のライド姿勢と重心や腕の位置が変わらないため、路面のギャップや急なブレーキングにも対応しやすく、頻繁に取り入れやすい。疲れているライド後半でも行いやすいし、ちょっとスッキリしたり眠気覚ましにもなる。

 

⑦太もも前~すね

これは片手運転になってしまうのでローラークローズドコースでの使用になるが、サドルから降りなくてもこんな風に太もも前(大腿四頭筋)や脛のあたりを伸ばすことが出来る。ここはサイクリングで最も使う筋肉の一つなので疲労軽減できるのは大きなメリットになるが、恐らく三本ローラーなどではそれなりに乗車スキルが無いと危険なので万人にはお勧めしない。また、水分不足の時にやると脚が攣るので逆効果だったりもする。

 

3.信号待ちのストレッチ

続いては信号待ちでのストレッチ。ロングライドでは少なからず信号待ちで停車する機会があるので、その時間をボーっと過ごすのではなくストレッチで回復の時間に当てる。

乗りながらのストレッチより安全に行えるので、より万人におススメできる方法だ。

①太もも前~すね

先ほど乗車中の⑦でご紹介したものの停車Ver.。これなら安心して行えるしじっくり筋肉を伸ばせる。

膝の前側の痛みは筋肉の使い過ぎによることが多く、この太もも前(大腿四頭筋)が過度な使用で硬直し膝の腱を引っ張りすぎてしまうことで発生することもある(僕の場合はだいたいこれ)。つまり、このストレッチを用いて筋疲労を軽減・回復させてやれば、ロングライドの膝痛を予防することが出来るのだ。

実際に僕はこのストレッチと、次の②でご紹介するストレッチを多用することで、悩みの種だった膝の痛みをかなり予防することが出来るようになった。

 

②お尻~太もも裏~脹脛

前屈の姿勢になることで、お尻~腰~太もも裏~脹脛を伸ばすことが出来る

脚の使い過ぎによる膝の痛みは、脚の前側だけでなく裏側の筋肉が硬直することによっても起こる。①のストレッチに加えてこのストレッチを行うことで、より効果的な膝の痛み予防になるはずだ。

 

③肩甲骨まわり

写真のように手のひらを返しながら腕を上下に動かすと、肩甲骨周りをほぐすことが出来る。ロングライドで肩こりを意識する方は少数派かもしれないけど、身体は全身が繋がっているので、こういう無意識な部分の凝りが疲労や痛みに繋がったりする。

特に僕は平坦ロングでDHバーを使うことが多いので、肩と首の疲労が多い。肩甲骨まわりをほぐすと上半身全体が楽になり、300㎞以上のコースでDHバーを使う様な走りをしたときにかなりの差になる。僕の経験的に、このストレッチは効果が高い。

 

④腕まわり

これは余裕があれば、というくらいだけど、肩や腕も伸ばしておくといい。

腕を頭より上にあげたり、左右に伸ばしたりするのはサイクリング中にあり得ない姿勢なので、こういった姿勢をとるだけで体がスッキリしたり。眠気が出てくる後半、300~400㎞を越えてきた辺りから特に有効だ。

 

⑤足首

これは疲労がたまっている時やると足を攣りやすいし、最近は足首に負担を感じることがなくなったからやっていないけど、昔やっていたので一応ご紹介。普通に足首を回したりひねって伸ばしたりするだけだが、アップなどで違和感があるときはスッキリしたりする(多分、違和感が強いときは安静にして病院に行った方が良いけど)

 

4.休憩中のストレッチ

最後に、休憩中のストレッチについて。休憩中はバイクに囚われず自由なストレッチが出来るので、その方法は多岐にわたる。サイクリングで効くストレッチは沢山あるし情報も多いので、ここでは僕が良くやっているストレッチを挙げていきたい。

①太もも前~すね

大腿四頭筋を伸ばすなら、寝そべって行う方法もある。疲労しすぎたり水分が足りていなかったりすると、立って伸ばすと腿の裏側(ハムストリングス)が攣ってしまうこともある。寝てそっと伸ばせば攣らずに済むことが多いので、ライドの後半戦におススメだ。流石にコンビニなどで行うのは気が引けるけど、公園や原っぱがあればかなり有効。

 

②太もも裏~脹脛、股関節

写真のように片方の脚を直角に外側に出し、そのまま膝、足首も直角に曲げる。曲げた方の脚へ上半身を倒すと股関節まわりが、伸ばしている方の脚へ倒すと膝の裏側を伸ばせる。

クールダウン系だと思うけど、温泉に入った後とか長時間休憩の時にやると結構気持ちがいい。

 

③お尻周り

お尻周りや腿の外側辺りを伸ばせるストレッチ。脚を写真のように組んで、上半身を脚に近づける。

手と脚しか地面に着かなくても出来るから、場所的な自由度は高いと思う。僕は高強度で走ると結構お尻周りも筋肉に来るので伸ばしてやると調子がいい。

 

④股関節

写真のように脚を真横~中央に向かってぐるぐる回す。これはウォーミングアップ的側面の強いストレッチだが、股関節をほぐし、より股関節を使ったペダリングを意識できる。ライド前や序盤の休憩等でよくやる。

脚を上げるのも辛い後半は、こんな感じに股割りをしたり。

脚の筋肉が辛くなってきたときこそ、股関節を意識することで案外軽くパワーを出せたりするので、僕は休憩中にご飯を食べながらやることも多い。

 

⑤足裏

シューズを脱いで足裏をほぐすのも、ロングライドでは非常に有効だ。特にカーボンソールなど硬いソールのシューズを使っている場合は、足裏のダメージも無視できない。

休憩ではいったんシューズを脱いで、手でもみほぐしたり足指をグーパーしたりして、足をリラックス&ストレッチするとその後のライドが楽になる。

 

5.参考

ちょっと補足として、ロードバイク関連のストレッチや筋肉の使い方を分かりやすく紹介してくださっているYouTuberさんもご紹介。ブログの写真より動画の方がわかりやすいし、医学療法士かつロードバイクに乗っている方が伝えてくださる内容なので、信頼出来て効果もありおススメだ。

 

・Tom’s Cyclingさん

Tom’s Cyclingさんは、初心者に優しく為になるコンテンツを作ってくださっている。動画を見ているとなぜか自転車に乗りたくなってしまうのでライドのモチベーションにも?

 

Activike:にっしーさん

そして、ロードバイクのフィッティングサービスActivikeのにっしーさん。

効果的なストレッチから筋トレまで、ロードバイクでの体の使い方を分かりやすく発信してくださっている。参考になる情報が多いので、関連動画も併せてぜひ。

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以上、ロングライドやブルべで役に立つストレッチを、僕なりの経験をもとにまとめてみた。ライドスタイルやポジションなどによって効果に差はあるだろうけど、僕はこれらのストレッチのお陰でロングライドを快適に走れているので、1つでも試して頂ければ幸いだ。

計画から装備・走り方のコツなど、ロングライドに関するノウハウ記事はこちらにまとめているので、ぜひ併せてどうぞ。

おわり

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