「ボトルケージをもう少し下げたい」「フレームバックとの干渉を避けたい」「ボトルを増設して夏場のライドに備えたい」…etc.フレームの前三角を有効活用しようと考え、こういった悩みに直面する方は多いだろう。
僕も長らくこういった悩みを抱えていたが、WolftoothのB-RADがそれを解決してくれたので、今回はそれをご紹介したい。
<目次> 0.フレームバックとの干渉 1.Wolftooth:B-RADとは 2.購入方法 3.取り付け方法 4.使用例&レビュー
0.フレームバックとの干渉
ことの発端となったのは、フレームバックとボトルケージの干渉だ。フレームバックを取り付けた際に、ダウンチューブとシートチューブ、どちらのボトルケージもフレームバックに接触して取り付けることが出来なかった。
BB付近にはまだスペースがあったので、「ボトルケージの位置を下げられたらなあ。」と思い、こん回のB-RADを導入するに至ったわけだ。
1.Wolftooth:B-RADとは
Wolftooth(ウルフトゥース)とは、アメリカ発の比較的新しいブランド。フロントシングル用のナローワイドチェーンリングを皮切りに、高品質なアイディア商品を多数発売し人気を博している。B-RADもそのアイディア商品の1つで、『B-RADシステム』という名でボトルケージの位置をずらしたり、増設したり、各種工具のアタッチメントを搭載したりするアイテムをラインナップしている。詳しくはこちらのWolftoothのHPへ。
『B-RADシステム』には様々な商品があるが、今回ご紹介したいのは「B-RAD3」と「B-RAD4」。同系のサイズ違い商品に「B-RAD2」というものもあり、B-RAD2⇒3⇒4の順にサイズが長いモデルになっている。
各サイズの寸法はこんな感じ。(Wolftoothサイトより)
上の図面で、横長に開いた穴の方をフレーム側のボトルケージに固定し、ねじ切りされた丸い穴の方に新たにボトルケージを取り付ける。
おおよその値だが、B-RAD2なら10~50㎜ずらしてケージを1つ、B-RAD3なら10~115㎜ずらしてケージを1~2つ、B-RAD4なら10~265㎜ずらしてケージを1~3つ取り付けられる訳だ。単純にボトルケージをずらすならB-RAD2or3、他のアタッチメントも取り付けるならB-RAD3or4、ボトルを2つ直列で取り付けるならB-RAD4がいいだろう。
今回は、ボトルケージの下げ幅がB-RAD2では足りなかったので、B-RAD3とB-RAD4を購入することに。
2.購入方法
近所に取り扱い店舗があればいいが、僕はネットで購入した。国内サイトでWolftooth製品が購入できるのは
・サークルズさん
・ブルーラグさん
しかし、今回は僕が購入したいものが品切れだったので、試しにWolftooth本国サイトから購入。その流れや感想はこちらの記事に記載しているが、こちらも非常に簡単だった。
他には、若干Amazonや楽天にもWolftooth商品が並んでいたり。価格や在庫がかなり変動してる印象だが、いちおうリンクを貼っておく。
3.取り付け方法
さて、早速とりつけ方法のご紹介。基本的には先ほど書いたとおり
①細長い穴の部分をフレーム側のダボ穴に固定
②B-RAD側のダボ穴にボトルケージ等を固定
③最終調整
の3ステップでOK。かなり簡単だ。
なお、Wolftoothの商品ページに各サイズごとのインストール方法のPDFがある。英語だけど、読める方はこちらをみた方が速いかもなのでどうぞ。リンク⇒B-RAD2、B-RAD3、B-RAD4。
内容物はこんな感じ。上がB-RAD4、下がB-RAD3。
B-RADマウント本体と、フレームダボ穴用ボルト(ロング)、B-RADのダボ穴用ボルト(ショート)、樹脂ワッシャー、フレーム養生シート、タイラップ。フレーム養生シートとタイラップはB-RAD3と4のみ。
①細長い穴をフレーム側のダボ穴に固定
まずはB-RADをフレームに固定する。固定に使うのは長細いスレッド状の穴の方。
このとき、ボトルケージなどのアタッチメントはまだB-RAD側に取り付けない方が作業性が良いが、おおよその位置決めの為に、ボトルケージを理想の場所にあてがったりしておくといい。「だいたいこんな感じかな~」みたいな。
ネジは2種類付属する。短い方がB-RADへの固定、長い方がフレーム側のダボ穴への固定。つまりここで使うのは左の長い方。右の白いワッシャーは、B-RADとフレームが干渉するときに間に挟むスペーサー的なもの。必須ではなく、必要に応じて使用するものだ。
ただし、付属するネジは普通の六角キャップではなくT25のトルクス(星形のやつ)だった。
フレーム側のネジは元からフレームについているボトルケージ用ネジをそのまま流用してもOKだが、B-RAD側の固定ネジは六角キャップが良ければ別途用意する必要がある。サイズはM5×7.5㎜。ジャストサイズはあまり売っていないから、トルクスレンチかトルクスビットを購入した方が速いとは思う。
もし携帯ポンプなども横に付けるなら、一緒にネジで固定。その分B-RADがフレームから浮く形になるので、そのあたりも要注意だ。(僕はトピークのRoadie TTを付けている。これも超おススメのポンプだ)
僕の場合はその携帯ポンプのアタッチメントがあるお陰で、ダウンチューブ下へのダボ穴増設アタッチメント(Elite VIP)との干渉も避けられた。
B-RAD2では必要ないが、B-RAD3や4の場合はフレーム保護にシートを貼り、タイラップで固定する。B-RADが長い場合に必要な措置の様で、僕は使わなくても大丈夫そうなので使っていない。
取り付けるならこんな感じだろうか。
②B-RAD側のダボ穴にボトルケージ等を固定
フレームにB-RADを取り付けたら、ボトルケージなどのアタッチメントをB-RADに固定する。
他に取り付けているものとの干渉にも気を付けながら、ボトルケージを固定。使うのは付属のネジの短い方だ。ネジには薄くグリスを塗っておく。トルクはMAXで3~4Nm。
(↑)こんな風に、ダブルボトルも出来るなぁなんて。
③最終調整
最後に、実際にボトルを抜き差ししたり、クランクを回したりして最終調整&増し締めを。締め付けトルクは3~4Nm。締め付け過ぎには要注意だ。
そして完成!大型フレームバックと併用しても収まりが良い。
4.使用例&レビュー
バイクパッキングでフレーム内を有効活用できるので、見栄えも使い勝手もGood。ちなみにバイクのフレームサイズは54、使っているフレームバックはブラックバーンのMサイズ。
もとのボトルケージ位置だとボトルが干渉してフレームバックを取り付けることすらできないが、B-RADで位置をずらすとこのピッタリ感。凄く気持ちが良い!
今回僕が使ったB-RAD4なら、ボトル2本を直列に配置することも可能。携行できるボトルが増えるし、シートチューブ側のボトルケージよりもボトルがとりやすいので気に入っている。
このスタイルにさらに自作マウント(白いボトル)も加えて、ボトル3本で走ったりも。
1,000㎞強このスタイルで走っているけど、使い勝手が本当に良くて気に入っている。フレームバックとの収まりが良いからボトルが使いやすくなったし、フレームバックを圧迫しないから容量が制限されることもない。
グラベルを含む400㎞を一気に走ったときもネジの緩みや不安点はなく、ハードな使用にも耐えられそう。
やや割高な印象を受け、導入を遅らせていた商品だったが、なんでもっと早く買わなかったんだろうと後悔する程気に入った。
以前は自作マウントでボトルケージの位置をずらしていたが、位置の微調整や他のアタッチメントとの干渉対策など、面倒が多かった。単純な1ピース構造なので後々の微調整もしやすいし、メンテナンスでの着脱も楽、信頼性も高い。この手の商品はそういう使い勝手がかなり重要だとおもう。
「ボトルケージ位置をずらしたい」「バイクパッキングで様々なギアと組み合わせたい」という方にはぜひおススメしたい商品だ。
*補足
WolftoothのB-RADには、B-RAD3やB-RAD4と組み合わせて使う「ダブルボトルケージアダプター」なるものもある。これはボトルケージを斜め横にずらして、横に2つ付けられるようにするアタッチメントだ。フレームバックが間に入るスペースは小さいからフレームバックとの干渉防止ならこの記事の方法がおススメだけど、フレームサイズが小さい場合はこっちの方がいいこともあるみたい(左)
ドッペルギャンガーのコレ(右)でも同じようなことが出来る。こちらの方がかなり安く済む。
おわり