メンテナンス

サイドカットしたロードバイクのタイヤを修理して再利用してみた

ロードバイクのタイヤトラブルのうち、厄介なのがサイドカット。基本的にタイヤ・チューブ丸ごと交換になってしまうので痛い出費にもなる。

先日街乗りロードのタイヤがサイドカットしてしまったが、高級なタイヤを使っていたしまだまだ使えるすり減り具合。そこで、有り合わせのものでタイヤのサイドカットを修理し再利用してみた。

<目次>
1.サイドカットの状態
2.修理に使ったもの
3.修理作業
4.その後の経過

1.サイドカットの状態

サイドカットしてしまったタイヤは、シュワルベ ワン(クリンチャー)25cシュワルベのロード用ハイエンドタイヤだけど、僕はこれでも結構オフロードにも突っ込んでいて、かなり荒れたダートを走行している時にサイドカットしてしまった。

近所でパンク修理セットすら持っていなかったので、そのまま数㎞押し歩きして帰宅した。

少し見辛いけど、画像中央のサイドウォールが毛羽立っているところがサイドカットしている。

サイドカットの幅は表面で8㎜くらい、裏面まで貫通しているのが5㎜くらい。サイドカットと同時にチューブにも穴が開いてしまっていて、このままタイヤを使用するのは当然不可能な状態。

本当はサイドカットしてしまったタイヤは交換してしまった方が良いんだけど、そこまで盛大にタイヤが裂けている訳でもない。シュワルベ ワンはそれなりに高価なタイヤ(定価で1本8000円~)だし、まだ使えるのに捨ててしまうのは勿体ないので修理をしてみることにした。

 

2.修理に使ったもの

サイドカットの応急処置品としてはパークツールのタイヤブートが有名だけど、これはあくまで「応急処置」用。残念ながらサイドカットを「修理」する為の専用ツールは無い。(タイヤブートは使ったことがないので定かではないが、走行時に凸凹する、チューブに負荷がかかりパンクするため長距離使用は不可、等の情報がある)

ネットで長期使用を想定した「修理」を検索すると、いろいろな修理方法が出てきた。クリアファイルやプラカードを切って挟む方法、タイヤのサイドウォールを縫う方法、接着剤等でくっ付ける方法…etc.

で、僕はどんなものを使ったのかというと、使い古したタイヤのサイドウォール。

 

使ったもの

・廃タイヤのサイドウォール

・テントリペア用テープ

・接着剤(上の画像には映っていないけど…)

 

と、家にあった有り合わせで使えそうなものをかき集めてみた。

廃タイヤは使い古しのVittoriaCorsa 25Cサイドウォール部分を適当な大きさに切って、サイドカットした箇所にあてがう修理材とした。Corsaのサイドウォールはしなやかだし薄めなので、タイヤの内側に入れる補修材としても使えるのではないかと考えた。

テントリペアツールは(↑)のリンク右側、GEAR AIDのテネシャステープというもの。テントに限らず、アウトドア用品の破れ・裂けを簡単に修理できる万能補修材。ツーリング中も何度もお世話になっていて、僕的に結構な信頼を置いている優れものだ。

接着剤は硬化したときにガチガチに硬くならないものをチョイス。セメダインのスーパーX2クリアで、シリコン系の柔らかく硬化する万能接着剤。これもパーツ補修や改造に何かと便利で、買っておくと活躍する場面は多い。

 

3.修理作業

道具をそろえたら、いざ修理開始。

まずは廃タイヤをサイドカット部分にピッタリはまる形にカットしていく。タイヤ側面は円形なので、弧を描くようにカットすると収まりがいい。

サイドウォールの薄い部分だけを使い、もちろんビード部分は切り落としておく。「薄い部分だけ使う」と言っても廃タイヤはそれなりの厚みがあるので、サイドウォール部分にだけ当てて走行時に凸凹しないようにする。

接着剤で固定したあと、さらにその上からテネシャステープで固定

チューブで圧迫されるので廃タイヤがズレることはないはずだけど、そのままだとチューブを傷める可能性が高い。そこで、テネシャステープでタイヤ内部の凸凹をなくす。こちらは大きめにカット。

因みに、こういうパッチ系を貼って修理するときは、パッチの角は必ず丸めるようにカットする。シールは大抵角から剥がれてくるので、その角を取っておくことで耐久性がかなり上がるからだ。今回はタイヤの内側なのでさほど影響はないかも知れないけど、剝き出しで貼り付けるような場合は特に有効だ。

これで内側の作業は完了。チューブを入れてタイヤを組み付ける。

因みに、使っているチューブはWiggleで1本250円位で売っているLife-Lineという激安チューブ軽量とはいえないものの、一般的なブチルチューブとそん色ない重量と品質。それなりの期間使っても問題ないし、拘らないなら間違いなくコスパ最強だと思う。

試しにこの状態で空気を入れてみると、サイドカットした部分が膨らんだりすることなく、十分使えそう。よしよし。

とりあえずこの状態で使えるのかどうか、試しに100㎞くらい走ってみた。因みに、空気圧は7Bar前後、バイク+体重+荷物で80㎏程度だ。

100㎞走った時点では何も問題なし。特に走行感が悪くなるとか、そういうこともなかった。

しかし、タイヤも含めたホイールバランスは当然悪くなるので、下り等でホイールを高速回転させる場面ではマイナス。このバイクでは大した峠にも行かないから気にしていないけど、本格的に使うならホイールバランスを取りなおさなくちゃなという感じ。

内側はそれなりに修理出来ていそうなので、次は外側を。

このまま使っても良いんだけど、外側のサイドカット部分が毛羽立ってきそうで気になったので、セメダインのスーパーX2で補強しておくことにした。

いったん空気を抜いて、サイドカットした表面に厚塗りし1日ほど乾燥させる。裂けている部分の接着と分厚い保護膜を作るのが目的だ。実際これがどこまで効果がある作業かは定かでないが、厚い膜を作ってくれるので何もしないよりは良いだろう。

完成した補修タイヤはこんな感じ。

外見ではあまり分からないけど、サイドカットした部分をしっかりガード出来ている(はず)。空気を入れても問題なさそうなので、この状態で様子を見たい。

 

4.その後の経過

最後に、気になる「長期使用に耐えられるのか?」について。

修理後、約700㎞・1カ月超の走行をしてみた。使用環境は、空気圧7Bar前後、バイク+体重+荷物で80㎏程、毎日の通学や街乗りがメイン。オンロード走行が基本だが、たまにグラベルも遊びで走ったりしている。

結果、全く問題なく走行することが出来た。パンク等のタイヤトラブルが起こっていないのはもちろん、サイドカットした部分が膨らんでくるとか、傷が広がるみたいな心配になる要因も特にない。

しかし、今回修理した後輪ではなく前輪の方が寿命?によりタイヤ表面が裂けてしまった。もっと長距離を乗ってみたかったけど、タイヤそのものの耐久性を考えて検証は終了。

修理自体は上手くいったし、2~3本のロングライドなら十分耐えられることが分かった。必ず同じ結果になるという保証は出来ないが、この情報が何か手助けになれば幸いだ。

おわり

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