去年から運用していたシマノの安価ホイール:WH-RS100。
普段の脚として満足していたんだけど、先日走行中にスポークが1本折れてしまった。今回は折れたスポークの交換修理について、素人整備ながら簡単に書いてみたい。規格の説明や基礎から書くと長文になってしまうので、この記事では簡単に、スポーク交換のみに絞ってご紹介。
*僕は全くの素人で、内容に関する保証はできません。すみませんが、記事利用は自己責任でお願いします。
<目次> 1.スポーク折れの状況 2.補修パーツを購入 3.交換作業 4.完了!
1.スポーク折れの状況
今回折れたのは、リアホイールの反ドライブ(左)側。スポークが折れたときの状況については、こちらの記事(↓)に簡単にまとめてある。
WH-RS100は、高級ホイールに良く見られるストレートプルスポークではなく、3万円くらいまでの価格帯や手組ホイールに使われるJベンドスポーク。使われているハブの構造やスポークの種類によって作業は全然違うものになるから、この辺りを押さえておかないと手が付けられない。自分で何かするなら、最低限自分の機材の規格や構造は知っておかないといけない。
折れたのはJベンドの首の部分(ハブ側の根本)で、ニップルは無事な様子。そこでニップルは再利用して、スポークのみの交換修理をすることにした。
2.補修パーツを購入
自分で修理するにあたり、まずは補修パーツを購入しなくてはならない。ショップにお願いするなら補修パーツの型番や展開図なんて気にする必要はないけど、自分でやるならそこから調べなくてはならないので一苦労だ。
シマノのスモールパーツはネットから検索することが出来て、
①このページから型番やシリーズを打ち込み検索
②「EV」から始まる資料PDFに記載されている展開図で部品の型番チェック
③型番をネットで検索して購入
という流れ。
シマノの検索サイトの詳しい使用方法は、このサイトに書いてあるので参考になる。
で、WH-RS100のリアスポークは、ドライブ側が品番「Y0123Z865」というもので、反ドライブ側が「Y48VS1000」。今回必要なのは反ドライブ側だけだけど、一応予備も含めて購入しておくことにした。価格は1本400円程度。モノタロウが最も安かったのでモノタロウで購入。⇧の品番のリンクにはモノタロウの商品ページを張ってある。
余談だけど、最近は自転車用品でモノタロウにお世話になることが何度かあって、スモールパーツ系が充実しているイメージ。楽天やAmazonに無いものも多い印象だ。対応もちゃんとしていて安いので有難い。
スポークの他に、当然修理工具も必要になる。最低限「ニップル回し」と「マイナスドライバー」は必要で、本当は「振れ取り台」もあった方がいい。
マイナスドライバーは大きめなら基本OK、ニップル回しはいろいろあるけど、僕はAmazonで買った下リンクの左側のやつを使っている。それなりに使えてるけど、微妙なガタが気にならなくもないので、できればパークツールみたいなちゃんとしたブランドの工具が欲しいところ。WH-RS100のニップルは#14なので、下リンクの右側のやつが適合するはず。(恥ずかしい話だけど、実はニップル回しって本当に要るの?と思いペンチでニップルを回したことやサイズの合わないニップル回しを使ったことがある。見事にニップルを傷つけてダメにしてしまったので、絶対にサイズの合ったニップル回しは必要。汗)
もちろん、ホイールをいじるなら振れ取り台もあった方がいい。
僕は「ブレーキキャリパーを狭めて振れを確認し、それをもとに触れ取りをする」という凄く大雑把なことをしているけど、やっぱり振れ取り台が欲しくなる。センターも出せないし縦振れは測定できないので、僕のブレーキキャリパーを基準にする方法はお勧めはしない。
一応この方法でも、折れたスポークが1本だけなら何とか出来ないこともないかな…?くらい。
3.交換作業
修理部品と工具をそろえたら、いよいよ交換作業へ。スポークの交換の大まかな流れは、
①折れたスポークを抜く
②新しいスポークを刺す
③スポークにテンションを掛ける&触れ取り
という感じ。詳細をこの先でご紹介していく。
まずはリムテープを外す。まだ綺麗だし、これは再利用したいので丁寧に取り外した。
続いて折れたスポークを引き抜く。ニップルも捨てるならそのままゴミ箱行きだけど、今回はニップルを再利用するのでニップルを折れたスポークから取り外す。
(補足:スポークの長さやニップルとの相性によっては、リムテープを外さずにスポークだけを交換するやり方も出来るらしい。しかし、少なくともこのWH-RS100はスポーク長から見てそれは無理だし、ニップルをリムの中に落として結局余計な面倒がかかるリスクもあるから、順当にリムテープを外してしまった方がいいと思う。)
折れたスポークはペンチで挟んで固定し、ニップル側をニップル回しで回して分解。スポークのネジ部分には緩み止めが塗布されていて硬いので、スポーク側をペンチ等で固定しないと回すのは難しいと思う。
このニップルも再利用するので丁寧に。分解し終わるとこんな感じ。↓
折れたスポーク(上)を、新しいスポーク(下)に交換する。
注意点として、ホイールに新しいスポークを通すにあたり、スポークがどんな組み方になっているかはしっかり確認した方がいい。
スポークが交差しないラジアル組(フロントホイールは大体これ)はミスしにくいけど、スポークが交差するタンジェント組(上の写真みたいなやつ)は特に、スポークの交差のさせ方を間違わないようにしなくちゃいけない。スポークの組み方を観察するポイントは、①スポークは何本交差しているか、②新しいスポークは手前と奥どちらに交差させるか、③Jベンドの頭はどっち側に出すか、の3点。
これを間違うとホイールとしてちゃんと機能しなくなるので、他のスポークがどう組まれているのかをちゃんとチェックしておく。
組み方が分かったら、その通りに新しいスポークを通していく。タンジェント組だとスポークを交差させる辺りがちょっと大変だけど、スポークが曲がらない程度にしならせて、所定のリム穴にセット出来ればOK。
新しいスポークを通したら、ニップルでスポークを張っていく。
ニップルはリム側がマイナスドライバーで回せるようになっているから、最初の固定はこちら側からドライバーで回す。スポークにぶつかってハブ側からはニップルが出てこないので、リム側から回してやる必要がある。
このとき、上からニップルを落とすとニップルがリムの中に落ちてしまい上手くハマらない&面倒くさいので、ホイールを反転させるor斜め横向きにして、下側からマイナスドライバーに装着したニップルを押し込む等すると上手くいきやすいはず。
ある程度マイナスドライバーで固定出来たら、ニップル回しでテンションを掛けていく。他のスポークがきちんと組まれていれば、他のスポークと大体同じテンションに張るだけで殆ど振れはなくなるはず。
ここからは振れ取り台を使ってちゃんと調整するのがいいだけど、生憎僕は振れ取り台を持っていないのでブレーキキャリパーを使った簡易触れ取りを…。
ホイールをバイクに装着して、ブレーキワイヤーを張ってブレーキクリアランスをギリギリまで縮めれば、1㎜単位でホイールの振れを見つけることが出来る。
後は通常の触れ取りの手順に従ってニップルを締めこんでいけば、それなりに仕上がるという訳だ。
4.修理完了!
以上でスポークの交換は完了。早速実走して不具合が無いか確かめた。
うん、走ってみてもいい感じ!
素人の簡易化したスポーク交換修理だったけど、これでもまぁ普通に使えるようにはなると思う。僕程度のレベルだと、正直なところ振れが1㎜以下なら走行中にストレスになることはないし違いも分からない。
とはいえ実はスポークテンションが実はめちゃくちゃだったり、何かの拍子に想定外のトラブルがあったり…というリスクはあるので、声を大にしておススメは出来ない。また、繰り返しになるけど僕はただの素人なので、この記事の内容の正確性について何ら保証は出来ないし、素人整備の1例として捉えて頂ければと思う。
最後に1つ。
この記事では端折っているけど、振れ取り作業等は慣れるまで結構苦労するし、「工賃払いたくないから~」なんて理由で自分で修理するのは止めた方がいいと思う。僕は「自分で出来る作業は自分でやってみたい」と思っているからバイクをいじるけど、まぁ大変な部分も多い。必要工具代や技術を考えると専門店での修理はかなり格安なので、コスパを考える方ほど、ちゃんとしたお店に依頼するのを強くお勧めする。
おわり