ツーリング記

【雪山】冬の大東岳(表コース)登山に自転車でいってきた

先月の冬季北海道ライド&登山では、羊蹄山と斜里岳の登山に挑戦するもどちらも登頂ならず。冬山欲がどうも収まらないので、仙台市内で手軽に行ける&雪のある山の大東岳へ登山に行ってきた。

山行日は2020年2月12日。降雪後の晴れ間を狙い撃ちで、表コースのピストン。登山口まではバイクパッキングの自転車でアプローチし、帰りは秋保温泉でまったりと、最高の休日にすることができた。

<目次>
1.自転車で登山口へ
2.快晴&程よいラッセル
3.絶景の山頂
4.秋保温泉でまったり

1.自転車で登山口へ

前日の夜は早く寝ておいて、深夜に起床。朝ご飯を軽く食べて家を出た。

目指す登山口は二口林道の冬季閉鎖ゲートで、秋保ビジターセンターなるものがある場所だ。自宅から登山口までは往復で100㎞ないくらい、交通量も少ないし登りもないので、ウォーミングアップとしてのんびり流す。

バイクの装備はこんな感じ。日帰りなので荷物は少なく、アイゼン・ワカン・ピッケルなどの冬山装備を一通りパッキングしてみた。うん、超カッコいい。(笑)

背中には12Lのトレラン用ザックを背負っていて、外付け含めて20L弱くらいの容量だろうか。着ているハードシェルのポケットも活用すれば+4Lくらいは稼げるので、装備を選べば足りる。

秋保温泉街を通過した当たりで日が昇ってきた。うん、狙い通りの冠雪具合。

今冬は記録的に雪が少ない年だったが、ちょうど一昨日に仙台市街でも積もるくらい雪が降ってくれた。そして天候が回復に向かう晴れ間が今日という訳だ。

林道から見る朝焼けが綺麗。

車ではスルーしてしまう様な部分だけど、自転車だとこういう何気ない幸せをたくさん感じられる。

朝方の気温は-5℃。これから気温が上がってくる予報だが、最悪のことも考えてウエア類は冬の北海道と同じ-20℃でも余裕で行動できる装備を持っている。

…正直すごく暑い。フリースを脱いでインナーとジャケット2枚で足りそうだ。

 

2.快晴&程よいラッセル

07:15くらいに登山口に到着。積雪は予想通り、気温も上がってきた感じ。少し迷ったが、ワカンは置いていくことにした。

07:30:登山口

パッキングを済ませていざ出発!!

冒頭でも書いたが、今日は大東岳の表コースピストン。表コースから登り裏コースから降りるのが一般的?な様だが、雪が溶けてくるであろう下山で沢沿いをダラダラ歩きたくないし、初見の山なので大事を取って表コースのピストンに。標高差約1,000m、コースタイムは約7時間。

序盤は真新しいトレースがあり、懸念していた渡渉が連続する区間を迷わず歩けた。

沢沿いの積雪は10㎝くらいだろうか。適度に雪に覆われている。雪の森は綺麗だ。

 

08:10 立石沢

トレースのお陰でサクサクと立石沢に到着。ここが2合目と3合目の間くらい。徐々に積雪が増してきたが、この辺りまではちゃんとしたトレースがあった。足跡からして、たぶん昨日パーティーとソロの方が登り、ソロの方のみ表から降りてきたらしい。シングルストックでツボ脚、たぶん左利きの男性。

3合目を過ぎ、渡渉区間が終わって程なくするとトレースが消えた。昨日は風が強かったから消えたのかな?ここからは地図とGPSで登る。

とはいえ真上の尾根に取り付ければよいので、それほど難しいルートではない。樹林帯で雪崩の心配もないし。

積雪は脛くらい。深くても膝程度なのでラッセルも楽だ。草木を避けつつ、尾根まで直登していった。気温が上がってきて、雪がぐずってきた感じもあり、上の方で溶けられると嫌なのでさっさと登ってしまう。

それにしても本当に天気が良く、空が気持ち悪いくらいに青い(写真は加工無し)。こんなにビビットな青色の空を見るのは初めてかも知れないな。

 

09:00 鹿打林道分岐点

尾根に取り付いて少し歩くと、分岐の看板があった。大東岳は随所にこういう立派な看板が立てられていて驚く。

ここからは尾根沿いに登っていけば山頂までたどり着ける。この看板からもう少し行くと1,019mの小ピークだ。

尾根沿いの積雪は5~10㎝くらいで歩きやすかったが、時折木の根付近を踏み抜くのが辛い。気温が高く、汗をかきたくなかったので水分補給を抑えめにしていたら、踏み抜いた瞬間に両脚のハムストリングスが攣って悶絶…。

木々の間から見える絶景に癒しを求めつつ、水分補給をして小休憩。これは山頂からの景色も期待できそう。

また、遠くの高層雲の形状をみて、昨晩見たSCW – 天気予報 / 観測情報の雲予報がばっちり当たっているのも確認した。冬の北海道で世話になったが、やはり精度は高そうだ。

尾根に出ると、登山道をずっと歩くように足跡があった。形からして野ウサギの類だと思うんだけどサイズが大きくてびっくり。

木の枝にも雪が付き始めていい感じ。真っ青な空とのコントラストが美しい…。

本当に、この空の色が凄い。サングラスをしていても綺麗さが伝わってきて、少し裸眼にしてみたら思わず声が漏れてしまったくらいだ。景色が良いお陰で疲れも感じない。

写真だと分かりづらいが、尾根沿いは雪庇も出ていたので注意。右側はそこそこ切れた地形なので、あちら側に落ちると良くない。ライン取りは慎重に。

 

10:00 鼻こすり

大東岳表コースの難所と言われている鼻こすりに到着。

難所と言われるだけあって斜度はなかなか。背景の山脈を見ると分かるが、誇張無くこの斜度だ。

幸い雪質が締まりやすいので、膝を蹴り込んでステップを作りながら登れば易しかった。ただし、ここも木の根の付近は踏み抜きに注意。下手に踏み抜くと脱出が困難になるので、危なそうな箇所は避けながら歩く。

上を見上げるとこの光景。はぁ…幸せだ。(もちろんこれも加工無し)

 

3.絶景の山頂

鼻こすりを超えると、いよいよ山頂が見えてくる。なだらかな登りをじわじわと詰めていく。

森林限界を超え、低木のみに。この山頂が異世界になって良く感覚が好きだ。

振り返ると、遠く太平洋の方まで見渡せる。冬の澄んだ空気のお陰か視界はかなり良くて、距離感がバグってしまいそう…。

更に高度を上げるとシュカブラ(風の影響によって雪が形成される自然の波形)も。冬山特有の自然の造形だ。

 

10:30 登頂

そして…登頂!!

はぁ…なんて美しいんだろう。

冠雪した山脈がどこまでも見渡せる。これを見るために登ってきたのだ。

南側は蔵王もハッキリと見渡せる。きっと樹氷シーズンで賑わっているんだろう。

こちらは山頂貸し切り、この眺めを独り占めだ。

遠く山形市街を通り超え、月山や朝日岳も見える。

狙い通り、こんなに天気がバッチリだとは。もう何も言うことはない。

登山口からちょうど3時間。予定よりも余裕のあるペースなので、山頂で景色を見ながらのんびり補給。気温が高くてスニッカーズがバリバリじゃないのが残念。(笑)

折角だからと時間と労力をかけてたくさん自撮りもしてみたけど、全部ピンボケという悲しさ…。ソロの辛さはこういうところにもある気がする。カッコつけて撮ってた自分が滑稽だ。(笑)

 

4.秋保温泉でまったりと

山頂の景色も堪能したところで、下山を開始。

11:00 下山開始

風も穏やかでいつまでもダラダラしたくなるが、ふもとの秋保温泉でのんびりしたいので、さっさと降りることにした。

登りはアイゼンワークの練習も兼ねてアイゼンメインで登ったが、下りはさすがに効率が悪いのでツボ脚で。朝と違って雪が溶けてきているのでアイゼンに雪が張り付き、脚が重いし滑るからかえって危険だ。

そんなに難しい場所もないが、最後の渡渉区間は滑りやすいので慎重に。

 

12:30 下山完了

全体的に自分のトレースを下るだけなので、快適にサクサク下山。途中でソロの男性1名とすれ違ったのみで、道中他に登山者は居なかった。コースタイム的にはもっと時間がかかるらしかったが、下山は正味1時間半。コースタイム的には7時間くらいだったが、5時間で余裕をもって下山できた。上出来だ。

登山口にも雪道ハイキングをしに来たという小父さんもいて、写真を撮っていただいた。

ザックの中身をバイクに移し替え、残しておいた補給食を食べつつ暫し歓談。この時間なら、秋保温泉の日帰り入浴時間にも余裕なのでのんびりと。

約20㎞程下って、秋保温泉街へ。

秋保温泉はたくさんのホテル・旅館が日帰り温泉をやっているが、今回利用したのは「ホテルニュー水戸屋」。内部も結構豪華な印象で、入浴料は税込み1,100円とこの辺りの相場くらい。

平日のお昼過ぎなので、狙い通り温泉は貸し切り状態。

お風呂もいくつかあって結構広かったが、独り占めしてのびのび&まったりと。山頂の景色を思い出しながら、露天風呂でぼーっとするなんて最高だ。普段もっとQOLの低いライドをしているので「こんなに良い思いをしていいのか?」みたいな変な感覚になった。(笑)

インナーも取り換えてさっぱりし、あとは自宅まで走るだけ。この辺りは走り慣れているので、裏道を使いながら下り基調を流して帰る。温泉で火照った体を下りの風で冷ましながら、夕暮れの街並みを眺めて走った。

冬山ギアを直接積載してのライド&登山は初めてだったけど、パッキングにも問題なく快適な走りと山歩きが出来た。今日は朝焼けライドに始まり、快晴の冬山の後に温泉に寄り道。どこを切り取っても満足度の高い1日だった。距離も自転車100㎞未満、登山も獲得1,000m程度が丁度いいみたいで、とてもバランスよく楽しめた感じ。また遊びに来たいなと思える自転車&登山だった。

(自転車&登山については、こちらの記事にまとめているのでよろしければどうぞ↓)

おわり

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