ツーリング記

八幡平アスピーテライン〜十和田湖ー北奥羽ライド①

梅雨入り前の新緑の時期。東北の北3県で、前々から行きたかった場所をひと繋ぎに走ってみた。

2泊3日、ヒルクライムありグラベルありの、僕の大好きテント泊ロングライドだ!

〈目次〉
1.ライド計画をざっくり説明
2.いざスタート!
3.八幡平アスピーテラインの夜明け
4.熊に遭遇…
5.木漏れ日輝く十和田湖

1.計画をざっくり説明

まずはこのツーリングの全体像から。ルートは北奥(岩手・秋田・青森)の3県の、行きたいと思っていた場所を繋いだ形だ。

大雑把な位置履歴

ポイントを羅列していくと、

1日目:八幡平アスピーテライン(岩手)、十和田湖(秋田)、白神ライン(青森)

2日目:龍泊ライン(青森)、龍飛岬(青森)

3日目:尻屋崎(青森)、大間岬(青森)、仏ヶ浦(青森)

という感じ。走行距離はゴール地点によるものの最大目標の八戸ゴールなら合計約900km+α、獲得標高1万m越えの予定で、ペースが悪ければ下北~八戸までの間で適宜調整していく。結果的には、下北までの合計約800㎞、獲得標高9,800mくらいに落ち着いた。

装備類はいつもの軽量テント泊一式がペース。今回の新しい試みは、ロード用スリックタイヤとシクロクロス用ブロックタイヤを持っていった点。これは白神ラインの42kmにおよぶロングダートを走るためだ。

ハンドル周りの配置も変更し、北海道一周の時より走行の快適性は増している。さあ、あとは僕の脚がどこまで耐えられるか?笑

 

2.ライドスタート!

まずはスタート地点である盛岡まで終電で輪行。日付が変わる頃盛岡駅に到着し、準備を済ませて走り出す。

久しぶりの輪行

補給の買い出しも済ませ、時刻は00:30。さぁ、いよいよツーリングが始まった!

最初に向かうのは八幡平アスピーテライン。冬季閉鎖開け~5月中頃?までは夜間通行止めとなっているが、今の時期なら24時間通行可能だ。夜明けがかなり早く4時にはもう明るいので、完全なナイトライドは実質2時間少々。

明るいライト必須

アスピーテラインの登り口まで、ゆるゆるとした登りをこなしていく。空を見上げると星がきれいに輝いていて、天気がいいらしい事が分かった。

 

3.八幡平の夜明け

ナイトヒルクライムは危険も多いし普通に怖いが、こういう空の開けている道は好きだ。星や月が綺麗だとなおさら。

八幡平アスピーテラインは岩手山が綺麗に見える道でもあって、星明りの夜空に縁どられた岩手山が美しかった。スマホでは何も映らないのが残念。

温泉地帯が多い

途中には温泉らしき湯気が出ている場所もあって、一帯が硫黄のにおいでキツい。。因みにここが標高1,000mくらいで、アスピーテラインの頂上は1,540mくらいだ。まだ先は長い。

実は今回、アルテグラR8000の隠し玉11-34Tのスプロケを導入してみた。来るオフロードの登り1,600mを走る為なのだが、普通のヒルクライムでも超楽ちん。ついつい頼って楽してしまう(笑)

奥に見えるのが岩手山

夜景を楽しみながらのんびり登っていると、だんだんと東の空が白んできた。嬉しいことに、雲海のおまけつきだ!雲海がみられるのも夜明け限定なので、これもナイトヒルクライムの醍醐味。

そして、いよいよ空が赤く染まり、太陽が顔を出す。

いやあ、本当にいい眺めだな…。これを見ながら走れただけでも、ここまで来た甲斐がる。

輪行前に昼寝をしておいたがよく眠れず、この場に及んで睡魔がやってくる。やはり太陽が出ると安心するのか、この時間帯が一番眠くなる。

登ってきたのは岩手県側なので、このまま秋田県側に下っていく。下りになるまでは高原ラインが続いていた。

いい道だ…。

アスピーテラインは山頂付近の距離が長く、高度感のある道をたくさん走れた。登山の気持ちよさと、自転車の爽快感をセットにした感覚…。こういう道も僕の大好物。

眠い目をこすりつつ、次なる目標:十和田湖へ向かいダウンヒルをしていった。

 

4.熊に遭遇…

ある程度下って行くと、秋田側にも温泉街が。岩の間からダイナミックに湯けむりが上がっていたりして、ついつい興奮する。(笑)

どこか非日常を求めて走っている節もあるから、ライド中に遭遇するこういう景色が楽しい。

しかし、ここ八幡平~十和田湖の国立公園にかけては、ツキノワグマの出没が多い区域でもある。数年前にもツキノワグマによる死亡事故が起きている地帯でもあるから、熊鈴のほかに熊用スプレーも携帯していた。

なんというか変な話だが、北海道でもヒグマに遭ったし、今回もまたツキノワグマに遭うような気がしていた。そういう非日常はなくていいのだが…。

鈴にスプレーと自分ができる備えはしたので、あとはもう運試し。遭わないといいなぁと思いながらダウンヒルをしていると…

…うん、やっぱりいた。 

↑通り過ぎてから振り返って撮った写真

左コーナーを抜けた先の橋の上、車線の右側に絵に描いたようなTHE・熊が立っていた。

僕は結構スピードが出ているし、急ブレーキで止まっても熊の目の前辺りで停車してしまう。そして引き返しても登りで遅いし最短の町はアスピーテラインを登り返して下った先…。

とっさの判断で、熊の挙動に注意しつつ横をすり抜ける形でやり過ごした。

その時の熊はというと、僕を見ても驚く様子も警戒する様子もなく、不思議そうに僕のことを見つめているだけだった。民家に近い場所だったので、人間や車両にある程度なれているのだろうか?

何はともあれ、お互いに危害を加えることなくやり過ごせて本当によかった。

 

5.木漏れ日輝く十和田湖

熊遭遇のあとは、気を取り直して十和田湖へ!

ダウンヒル中に突然現れた大きな湖に、思わず笑みがこぼれた。

想像していたよりも雄大な湖だった。なんでも、水深が326.8mで日本第3位、面積では12番目らしい。

この辺りは十和田八幡平国立公園となっていて、湖と緑が美しい。十和田湖をぐるっと回るように道路があって、一周約50㎞。紅葉もきれいらしいので、秋に十和田湖一周サイクリングなんて、夢があっていいんじゃないだろうか。

圧倒されるほどの緑に包まれた道で、自分が小さくなったような気分だった。こういう木々に覆われた道は多いが、ここは樹木の背が高く、本当にすっぽりと森に入ってしまった気分になる。

中には相当長寿と思しき大木も…。

道幅は狭く路面もはっきり言って悪い。平日だからと言うのもあるだろうが、サイクリストは全く見なかった。それどころか、車も数台しかすれ違っていない。

がしかし、こういう道こそ、何の気兼ねもなく走りを存分に楽しめると僕は思う。程よいアップダウンを気持ちいいスピードに乗ったまま、愛車と一緒に駆け抜ける。なんて贅沢な時間なんだろう?

木漏れ日でできた路面のまだら模様が大好きだ。ずっとこの中を走っていると、自分も森の中に溶けてしまいそうな気分になる。

……

時刻は08:30。この先に待ち受ける超ロングダート「白神ライン」に向けて、弘前市街へと十和田の森を抜けていった。

つづく

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