ツーリング記

最高標高の十勝岳温泉へ雪上ヒルクライムー冬北海道②

昨日の三笠市での積雪で予想以上に疲弊し、翌日の走りをスタートからの2時間にかけることにした。走れなければ計画変更。

果たして、僕の目標の一つであった北海道の道路で一番高い場所である十勝岳温泉(1,260m)へ行けるのか…?

<目次>
1.深夜の雪上ライド
2.昼間も-9℃
3.いざ十勝岳温泉へ!!
4.明日への自信

1.深夜の雪上ライド

眠りについてからも、シェルターの通気口が雪で埋まらないか確認するためこまめに起きた。結果的に埋まることはなかったが、壁は積雪でかなり圧迫されてしまっていた。

03:00にのんびり起きて準備を開始し、03:30に撤収完了。コンビニで朝食をとり出発。

誰もいない。最高。

市町村の積雪マップでも夜間積雪が行われているエリアだったので、雪が降っているもののそこそこ走りやすい。何より、他の車がほとんど通らないので事故の心配がほとんどないのがとてもよかった。開放感があるのはすごく気持ちがいいことだ。

この孤独感よ。

今日のメインは、十勝岳温泉という北海道の道路で一番高い場所。

北海道では三国峠が有名だが、実はこの十勝岳温泉が最も高い。はじめは僕も有名な三国峠に行こうと思っていたけど、一番高いのが十勝岳温泉と知りこちらを選んだ。

思ったより雪も深くない

その十勝岳温泉に上るために、まずは富良野に向かう。実は富良野までの道のりもハードで、60㎞/800mUP休憩ポイントなしの山道。

とはいえ、厳しいながらも走りたかった雪道を独占できるのは最高だった。

綺麗。

明るくなるにつれて、雪景色の白さが目立つようになってきた。やっぱり雪景色はきれいだと思う。

昨日は予想以上の積雪で『タイムリミットまでに走れなかったら引き返す』と決めていたけど、その心配は杞憂に終わったのは嬉しい誤算。

 

2.昼間も-9℃

獲得標高800ⅿはそこそこつらかったけど、綺麗な雪景色の中を走れて楽しかった。気力・体力共にそんなに消耗せずに富良野へ。

富良野市に入ると、気温の電光掲示板がたくさん出てくるように。それらはすべてー9℃を指していた。字面は寒そうだが、走っていればそんなに寒いわけではない。むしろこの位を想定して準備しているので、涼しくてちょうどいいくらいだ。

一応日の出?

体感温度には風の強さもかなり影響していて、穏やかな日は気温が低くても運動中の体感温度は意外と低くはない。むしろ、風の強い-5℃の方が寒かったりする。正直気温は当てにならない。

一瞬太陽が出た

ハードシェルのポケットに入れている補給食のパンやチョコがバリバリに凍っているのを見て、やっぱりそこそこ寒いんだなあとは思った。

地元の中高生が登校でゴーグルをしていて、北海道を感じる。確かに、これでふぶかれたらゴーグルが欲しいよな。

 

3.いざ十勝岳温泉へ

富良野を抜けると、いよいよ十勝岳温泉へのヒルクライムが始まる。標高差は約1,100ⅿ。

普通のロードバイクならまずまずの峠だけど、雪道となると結構キツイ。さて、僕の脚はどこまで持つのだろうか…?

はじめはダラダラ登る

標高差は結構あるけど、斜度は最後の2㎞を除いてそこまででもない。初めのうちはのんびりヒルクライム。

しかし、ギアはすでにローギア…。一番軽いギアにしても32-34なので、1倍以下ではあるものの一般的なMTBに比べると重いギア設定。時たま既にそれを使ってしまっているので、早々にこの先が思いやられる。

路面も結構積もってる。

ちょっとイレギュラーだったのは、除雪があまりされていなかったであろうこと。除雪マップでは24時間除雪区間だったんだけどなあ…。温泉街にしか通じていないので、その客が通る時間に重点的に除雪がされるとかなのだろうか?

理由はさておき、バイクの重さに加えて雪の重さが加わるので本当にキツイ。先のことも考えて脚を使い切ってはいけないので、たまらずバイクを降りて休憩する。

ほんの一瞬青空が!

中盤には一瞬晴れ間が出たものの、基本的にはずっと曇り。終盤には雪が降り始めた。しかもしんしんと積もる系の雪。今でさえ辛いのに、これ以上降られたら厳しいぞ?泣

怪しい雲行き

残念なことに、本格的に降ってきた。自分にもバイクにも雪が積もっていき、もはや乗ることは不可能に。

しかし、標高はすでに900ⅿを超えているので最後まで行ってしまいたかった。足元は悪いけど、登山でも一時間あれば400ⅿは登れる。遭難の心配もないし下りなら何とかなるので、押し歩きで行くとにした。

これは無理。

900ⅿ地点には吹山温泉郷への分岐があって、そっちの方には車が停まっていた。Twitterのフォロワーさんにもその温泉がとてもいいと教えて頂いたので、やはり人気なのだろうか。

取り敢えず僕は上を目指しているので、分岐は十勝岳温泉の方へと進む。

みるみるうちに雪は積もる

今日の獲得標高はここまで1700ⅿ以上。轍は滑るので路肩の積雪が深いところを歩く。もはやラッセルに近い。笑

雪上を自転車を押し歩くのはかなりキツかった。言ってしまえば、自転車はただのお荷物だ。『自分は何をしているのだろう』という疑問がわいてくるが、愛車があの頂上に立つ姿を見たい一心で、一歩一歩登る。

そして、着いた!!

そう、これをみたかった。

ああ…辛かった。達成感と冬山の寒さが同時に襲ってきた。うん、早く降りよう。

一瞬吹山温泉に寄るのも頭をよぎったが、この寒さで服を脱ぎたくない・早く下山してしまいたいという思いが勝り、一気にダウンヒル。丁度温泉の辺りで登ってくる除雪車とすれ違い、途中からは快適な雪上ダウンヒルを楽しめた。(あと1時間早く来てくれたら最後までヒルクライムも楽しめたのに…)

この先に道がないのが嬉しい。

下りは早いとはいえ1000m以上一気に下るので、途中からは体が冷えて寒かった。ギアはとうに回りきっているが、それでも空転させながらケイデンスを上げ体を温めた。

 

4.明日への自信

無事下山し、セイコーマートで夜ご飯。2日目にしてかなりハードな1日だったが、現状予想される一番の難所はクリアした。

そして、天気予報の降水量ベースでの積雪・自分の限界がなんとなく掴めてきて、明日からのライドへの自信にもなった。現状予定通りか予定を巻いて走れている。これならきっと、オロロンラインも行ける。

110㎞でも辛かった…

暗くなるころシェルターを設営して就寝。明日は最低でも名寄までは行こう、もしかしたら170㎞先の音威子府まで行けるかもしれないと、期待を抱き眠りについた。

走行距離116km / 獲得標高1,952m

つづく 冬季北海道ツーリングの記事一覧はこちら

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