暴風のオロロンラインをクリアし、稚内市に到着した。日本最北端の宗谷岬まではラスト30km。
いよいよ宗谷岬へのパレードランと、最北端での年越しだ。
〈目次〉 1.稚内→宗谷岬 2.変態が続々と集結 3.いよいよ年越し!! 4.限界帰宅ライドの始まり
1.稚内から宗谷岬へ
温泉に入りご飯も食べて、稚内でするべきことは完了した。時刻は22:00、年越しまであと26時間もあるので、かなり暇である。
多くのチャリダー(自転車)・ライダー(バイク)は「稚内防波堤ドーム」にテントを張り、明日宗谷岬へアタックするらしい。
見たところ結構居心地が良さそうなキャンプ地で、Twitterには既に沢山のテントが張られている様子がアップされていた。
だけど、翌朝わらわらと大勢で片付けをして宗谷岬まで走るのは、なんとなくイメージが合わなかった。今すぐ寝たいというほど、疲れてる訳でもない。
『だったら宗谷岬に行っちゃおう!』という事で、ラスト30kmをサクッと走ることに。
風こそ強いが横風だし、路面もアイスバーンなので走りやすかった。
00:33。宗谷岬到着!!
苫小牧から約3日半、544km/4,105mUPを経て日本最北端に辿り着いた。
年越しまで23時間半もあるので超余裕、あとはテントを張って寝るだけだ。
依然として北風が強く、建物を風除けにしないと単独でのテント設営は困難だった。しかもテントポールが折れてリペアしている状態なので、強風に煽られるのは怖い。
もっと控えめな場所にしようと思ってたけど、物理的に設営可能な場所はここだったのでトイレ前に設置。邪魔になるようなら朝に移動しようと決め、眠りについた。
2.変態が続々と集結
周囲が騒がしくなってきて目が覚めた。テントから外を確認すると、ライダー達が続々と集結しテントを設営している。チャリダー達はまだ来ていない。
まだ08:30。そんなに邪魔にもなってなさそうだったので、そのまま二度寝…。
12:00もまわり、寝るのも暇になったのでテントから出てうろうろしてみる。既に数十台のバイクが停まっていて、その数に驚いた。最北端で年を越そうなんて変態が、こんなに居たなんて。笑
よく見るとチャリダーもちらほら集まっていて、Twitterで見覚えのあるバイクもあったり。無事到着したみたいで良かった。
テントを張り終えた人達は、各々が変態同士の集いを開き、装備の事や今までのツーリングの話をしていた。こういうイベント性が、多くの人を惹きつけるのだろうか。
僕はというと実のところ『日本最北端での年越し』には全く興味がなくて、『一面の雪景色を走りたい』という想いで北海道に来ていた。会いたい人が年越し宗谷岬に来るので、それに合わせて来てみただけである。笑
復路の宗谷岬→苫小牧のライドに備えて少しでも体力を回復・温存させるため、食事と睡眠とストレッチを繰り返した。
見た感じ装備のレベルは人それぞれで、少々不安になるものから、煙突付きの見た目最強なテントまで様々。高校の時の先輩がシュラフのみのヒッチハイカーになっていたのには驚いた。
3.いよいよ年越し!!
日も暮れる頃、年越し宗谷岬に来る人たちはほとんど出揃った。モニュメントのライトアップなんかもされて、場も盛り上がってくる。
会う約束をしていたCYCLINGMANさん、TAMAPLOさんとも合流し年末の宴を催す。大盛りチャーハンの差し入れを頂きながら、最北端でのキャンプ飯だ!
冷食メインの簡単料理で腹を満たしワインをあおるCYCLINGMANさんを横目に、TAMAPLOさんは火を守りながら1人コツコツと鍋を作っていた。遂に煮立ったその湯気がコッフェルから溢れ出した時、寒さでこわばっていた顔から満面の笑みがこぼれたのが、僕の中でのハイライト。笑
気温はマイナス3℃と暖かかったが、風が8m/sと強かったので体感気温はかなり低い。(風速1m/sにつき体感-1℃の話は有名だ)
寒いのでテントに戻ってうとうとしてたら、僕は完全に眠っていたらしい。TAMAPLOさんに起こされたのが12/31の23:59:15。笑(TAMAPLOさん、あの節はありがとうございました…!笑)
モニュメント前には凄い人だかりが出来ていて、10秒のカウントダウンが始まった。新年を迎えると同時に、花火が打ち上がった。
記念撮影をして、3人で年越しそばを食べる。うん、一応、やるべきことはやったかな。
4.限界帰宅ライドの始まり
多くの変態達がテントに戻り寝静まる中、僕は撤収しパッキング。朝には何やら式典やお土産配布があるらしいが、あまり興味が無いしそれを待つ時間的余裕も無い。
というのも、帰りのフェリーの時間がギリギリで、1/3の16:00までに苫小牧に付かないと僕は帰れなくなってしまうのだ。笑
輪行袋は持って来ているので最悪何とかなるものの、せっかくだし全部自走したい。だから、夜のうちに発つ。
02:00。
パッキング完了し、TAMAPLOさんに見送られながら限界帰宅ライドのスタート。流石にフェリーに間に合わないのはマズイので、170km/日のペースを切った瞬間に輪行するというリミットを設けた。
気温-3℃、風速8m/s、天候は雪。
お世辞にも走りやすいとは言えないが、これはこれで面白い。
距離は387km、制限時間は62時間。さあ、限界帰宅ライドの行く末はいかに…。