装備レビュー

ビットリアのホームトレーナーが1年半でバースト…買う価値はあるのか?

もっと早く、遠くへ走りたい。

僕は常々、そう思っている。別にレースに出る気はないし、特定の誰かと競っているわけでもない。それでも、単純にロングライドのなかでそう思える場面がたくさんあるのだ。

強くなりたいなら、鍛えるのみ。そこで1年半前に始めたのがZwiftでのローラー練習で、ビットリアのホームトレーナーを使い続けていた。そのホームトレーナーが先日ローラー中にバースト。耐久性も期待していただけに、少し残念な結果となってしまった。

 

通常タイヤでは煩すぎた

1年半前、ローラー練習を始めようといろいろ調べた結果、まず気がかりだったのが騒音問題だ。

僕は集合住宅に住んでいるから、ご近所の皆様の迷惑にはなりたくない。とりあえずどんなものかと使い古しのタイヤ(コンチネンタル ウルトラスポーツ2)を使ってみたが、とても心置きなく走れる音量ではなかった。しかも黒いタイヤの粉が飛び散って掃除が大変…。

それで導入したのがローラー台専用タイヤ。

各社から販売されているが、どれも静穏性に優れ、耐久性にも配慮されているらしかった。商品説明やレビューからはモデルによる性能差がさほど感じられなかったので、最も安価だったビットリアの「ザフィーロ プロ ホームトレーナー」を購入。実売価格で3000円ちょっと。

使ってみた感じはなかなか良い。

普通のタイヤに比べて明らかに走行音が静かになっていた。体感で30%減という感じ。タイヤの粉がほどんど出ないので、ローラー後の掃除もかなり楽になった。これは耐久性もありそうだなと、好感の持てる商品だった。

 

1年程でひび割れ

しかし、使用開始から1年くらいでトレッド面がひび割れてきた。

使用頻度はそれほど高くはなく、週に2~3回Zwift内の距離で25㎞程度走るだけ。年間走行距離はせいぜい2000km位だった。使っていたローラーはミノウラのLR760で、空気圧は規定値内の7.5~8.5barで運用。室温は15~30℃、湿度は40~90%、直射日光は全く当てていない。

それなのに、トレッド面に無数のひび割れが見え始めたのは少々残念。もしかすると僕の汗がタイヤにも滴って、劣化を早めてしまっている可能性もあるけれど、耐久性があるという文句に疑問を感じ始めてしまった。

ともあれ使えることには使えるので、そのまま運用を続行。もしバーストしても固定ローラーだからさほど危険もないし、逆にいつ壊れるのだろうかという好奇心もあった。

 

ついにバースト…

それから数か月、トレッド面のひび割れもだんだんと酷くなっていき、その数も深さも増していった。

そして使用開始から1年半が経とうというとき、ついにバースト。ローラー中にバンッという破裂音と共に空気が抜け、使えなくなってしまった。使用頻度は週に3~4日と少々増えていったものの、その他の使用条件は変わらず、走行距離は3000㎞弱…。

汗以外タイヤに特別負荷をかけるようなことはしていないと思う。果たしてこれが寿命というものなのだろうか…?その耐久性に疑問が残る。

 

3000円払う価値はあるのか?

3000円で3000kmという事は、1㎞あたり1円がかかっていることになる。この価格は高性能タイヤの部類だ。例えばコンチネンタルGP4000SⅡは5000円で4000~5000km走れる(1~1.2円/km)が、だいたいこれと同じか少し安いくらい。

実走との比較になるが、練習用タイヤにコンチネンタルGP4000SⅡを使っているという方には「そんなもん」かもしれないが、コンチネンタルのウルトラスポーツ等(0.5~0.6円/km)を使っている方にはコスパの悪いタイヤだ。

とはいえ、実走とローラーのトレーニング効率を考えるとローラーが倍以上なのは間違いない。自分の狙った負荷を狙った時間かけるには自由に走れる場所まで行かなくてはならないが、僕の場合その移動にトレーニング以上の距離・時間がかかる。その分タイヤも時間も消費するから、1円/kmなら買う価値はあるといえるだろう。(逆に家を出てすぐにローラーと同等の練習環境がある方なら買う価値はない)

今の僕の使用環境(固定ローラー使用、騒音は深刻な問題)だとローラー専用タイヤは必須なので、どこかしらのメーカーのタイヤを買わなければならない。さて、どうしたものか。とりあえずこのあたりの中から、いろいろ試してみようと思う。

*と言いつつ、後日値引きが大きくなっていたので同製品をまた買ってしまった(笑)

 

そもそも論になってしまうが、もし自分がローラー台をこれから購入する立場だったとしたら、そもそもタイヤドライブ式のローラーは買わず、ダイレクトドライブのローラーを買っていると思う。

ローラー専用タイヤは、確かに静穏性を考えれば必要なアイテムだし通常のタイヤよりも耐久性がある。しかしこのスパンで交換となってしまうのなら、ダイレクトドライブなどのより静かなローラー台を買う資金に充ててしまった方が、長い目で見ると結果的に安上がりかもしれないからだ。

タイヤドライブの場合、タイヤの劣化が汗によるものなら期間を基準にした方が妥当だろうから2000円/年、走行による劣化なら1円/kmのコストが積み重なっていく。つまり最低でも毎年2000円、本格的に走りこむ人なら毎年5000円がタイヤ代として消費されていくのだ。平均的な使い方なら3年で1万円といったところか。それにダイレクトドライブなら不要になるホイールを売却すれば1万円程度の資金は作れる。

少しでも初期投資を減らしたいのなら仕方がないと思うけど、自分が長年にわたってローラーをしそうなら、タイヤ注文や交換の手間も考慮して数万円高くともローラー台に投資する価値はあるだろう。ダイレクトドライブ式でも、4万円台から買えるのは魅力的だ。

 

自転車機材は奥深いが、トレーニングの世界でもそれはまた同じ。自分に何が必要で、何を買えば幸せになれるのか考えるのは難しく、それでいて楽しい。そんなことを考えながら、今日もまたローラーしよう。

おわり

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