僕はロードバイクに乗っているが、主に輪行を用いるライドや数日間に及ぶ旅系ライドをするため、SPDペダルを愛用している。かれこれ2年ほど使っているのが、シマノのロードバイク用SPDペダル「PD-A520」だ。
安価な割には軽い方で、特にこれといった不満もなく使用してきたが、最近ペダリングの際にパキパキと音鳴りがするようになってきた。はじめはBBから異音がしているのかと思ったが、ペダルをサブバイクのものと交換してみたら一発で止み、ペダルから鳴っていることが判明。
素人ながらネットの情報を頼りに、PD-A520を分解・グリスアップしてみた。
用意するもの
・TL-PD40(シマノの専用工具)
・7㎜めがねレンチ(スパナでも代用可)
・10㎜スパナ
・ウェス
・グリス
・ピンセットor爪楊枝
(・トレー等)
シマノのペダルの分解には「TL-PD40」という専用工具がいる。200円程と超安価で売られているので、無理にペンチなどで代用しようとせずに購入することをお勧めする。直すために分解しようとして結局壊したのでは、目も当てられない。
このTL-PD40 、基本的には手で回せるようだが、固着していたりきつく締められていたりした場合、手では回せず36㎜スパナが必要な可能性がある。僕は片側がどうしても回らなかったので購入した。
また、内部のベアリングの球を扱う際に、ピンセットや爪楊枝があった方が便利。かなり小さな球なので、相当手先の器用な人でないと素手で扱うのは難しいと思う。トレー等も用意しておきその上で作業すると、ベアリングをなくすリスクが減るのであるとよいかもしれない。(僕は清掃中に机から落とし、探すのに1時間もかかった)
グリスで汚れたり細かな部品が発生したりする作業なので、当たり前のことだが作業環境を整えてから作業することをお勧めする。
作業開始
さて、用意が整ったら作業開始。手順は
①TL-PD40でペダル軸部を外す
②7㎜、10㎜レンチで玉押しナットを外す
③ベアリング部分を分解
④パーツを清掃
⑤グリスアップしベアリングを戻す
⑥7㎜、10㎜スパナで玉押し調整
⑦TL-PD40でペダルを元に戻す
という感じ。分解した後に戻し方が分からなくなってしまうと困るので注意。作業の時にこまめに写真を撮っておくと忘れた時に確認が出来るのでオススメ。
①TL-PD40でペダル軸部を外す
まずは専用工具でペダルの軸部分を外す。右と左で回す向きが違うので、TL-PD40に記載されている通りの方向に回していく。きつい場合は36㎜スパナを用いる。
②7㎜、10㎜レンチで玉押しナットを外す
2つのスパナを用いて玉押しナットを外していく。グリスでべたべたなので、適宜拭きながら作業していく。このとき、右ペダルは逆ねじ、左ペダルは正ねじになっているので注意。
③ベアリング部分を分解
ベアリングは銀色の円筒形のパーツの上下に2か所ある。銀色のパーツを引き抜くと、下側のベアリングが出てくるので注意しながら分解していく。グリスが付いているので玉が転がってどこかに行くことは考えにくいが、ウェスなどにくっついて紛れてしまうと大変だ。
④パーツを清掃
それぞれのパーツを清掃していく。この時が一番ベアリングの玉をなくしやすいので注意。
⑤グリスアップしベアリングを戻す
分解したときと逆の手順で戻していく。Oリングや玉受けを忘れずに戻す。
上側のベアリングは銀色の円筒形パーツにグリスを盛って並べ、下側のベアリングは軸側の玉受けにグリスを盛って並べる。後は銀色のパーツをはめ、玉押しナットを戻すだけ。
⑥7㎜、10㎜スパナで玉押し調整
玉押し調整を行う。僕は素人なのでこの調整が一番難しかった。キツすぎず緩すぎないちょうどいい強さで玉押しナットを締めるのだが、どのくらいがちょうどいいのか全く分からない。何度もやり直してようやくいい塩梅になった。
⑦TL-PD40でペダルを元に戻す
最後に、ペダルの軸部分を装着して終了。ペダルをくるくる回してみると、清掃前よりも回転がスムーズになった!
異音解消
早速バイクに取り付け実走してみると、気になっていた異音が見事に解消していた!自転車はせっかく静かな乗り物なのに、踏むたびにパキパキ煩いのは本当に不快。少し大変な作業だったが、また静かに戻ってくれてよかった。
また、ペダルの回転も明らかにスムーズになったので一石二鳥。作業時間は約2時間もかかってしまったが(うち1時間はベアリング探し…)慣れればもっと早く出来そうだ。
なによりそれほどお金を賭けずに解決できたのがうれしい。自転車に詳しくもなれるので、皆さんも挑戦してみてはいかがだろうか。
おわり