メンテナンス

シマノMTB用BB『SM-BB52』の重量、付属品、BB交換の仕方など

シマノのねじ切りJIS規格のMTB用BB『SM-BB52』。

シマノが展開するMTB用BBの中で最もローグレードのモデルだが、そのせいか情報が凄く少ない。そこで、本体の重量や付属品、必要な工具など基本的な情報をまとめておきたい。

<目次>
1.基本スペック
2.付属品
3.BB交換の方法と工具

1.基本スペック

まずはSM-BB52の基本的なスペックから。シマノ公式サイトと実測をもとにすると、以下のとおり。

スペック

・対応フレーム:ねじ切りJIS、シェル幅73㎜/68㎜

・対応クランク:24㎜スピンドル(シマノホローテックⅡ)

・実測重量:88g(スペーサー無し。73㎜使用時89g)

・シリーズ:DeoreM610

・価格:実売1,600円前後

公式サイトはこちらAmazonはこちら

 

と、こんな感じ。

シマノのMTB用ねじ切りBBは、XTRDeoreXTDeoreの3つのグレードから発売されている(ダウンヒル系のSAINTもいれると4つ)。このSM-BB52はDeoreシリーズで、BBの中では最もグレードの低いモデルになる。

価格はそれぞれ1,200円くらいずつの開きがあって、重量がグレードが高いほど軽くなっているほか、XTRだとベアリングもちょっと違うらしい(?)

MTBのBB規格もいろいろあって凄くややこしいけれど、このSM-BB52はねじ切りタイプのフレームに適合する。フレーム側に、こんな風にネジが切ってあるタイプのやつだ。

圧入が必要なタイプとは違って、メンテナンスが比較的容易なのが特徴だろうか。

クランクへの適合は、シマノの24㎜軸(ホローテックⅡクランク)。MTBに多いスラムのクランクには適合しないし、同じシマノでも安価なMTB完成車に多いスクエアテーパーやオクタリンクには適合しないので注意。完成車付属のサードパーティー製なら、スピンドルの径を測定するか、メーカーサイトを探して確認する。

今回はM8000系のDeoreXT(FC-M8000)を使用。

SM-BB52の実測重量は88g。シマノの他のMTB用BBと比較すると、最高グレードのXTR(SM-BB93)で73g、セカンドグレードのDeoreXT(BB-MT800)で82g。確かにそれらと比べるとグレードが下がる分重くはなっているようだが、重量については大きな差はないないらしい。

ヒルクライム用ロードバイクで1gを削る訳でもないし、どうせ泥まみれになって水をかけて洗うんだから、消耗品として安くて気軽に交換できる方が良い気もする。当然BBの性能は重量以外の要素も大きいから、何とも言えないところだけど。

MTBで一般的な73㎜幅に装着する際には、2.5㎜スペーサーを1枚入れる。その時の重量では89g。それでも普通に軽い方じゃないだろうか。

 

2.付属品

付属品は以下の通り。

 

付属品

・2.5㎜スペーサー:2枚

・1.8㎜スペーサー:1枚

・0.7㎜スペーサー:1枚

・説明書:1枚

 

本体と説明書のほか、特徴的なのは計4枚のスペーサーだろうか。MTBのBBはフレーム側の規格(FD取り付けの方式やシェル幅)によって、BB取り付け時にスペーサーをいくつか噛ませる仕組みになっているのだ。

厚みが異なるので間違わないように注意。

自分のバイクにどうスペーサーを取り付けてよいのかは、バイクの規格と(↓)の記載を参考にして頂きたい(詳しくはシマノのディーラーマニュアルへ)。今取り付けられているBBが同種なら、スペーサーの数や厚みを確認しておくのもよいだろう。

僕のMTB(GT:アバランチェ)はFDがバンドタイプでBBシェル幅73㎜なので、2.5㎜スペーサーを1枚、右側に噛ませる。

 

3.BB交換の方法と工具

SM-BB52の様に、ねじ切りタイプのBB交換はとても簡単に出来る。

必要な工具は以下の通り。

必要工具

 

・ホローテックⅡ用BBレンチ

・クランクキャップ回し

・アーレンキー5㎜

・グリス

 

自転車用の専用工具のなかではかなり安価に揃えられる部類なので、良さげなものを購入していただくのが良いと思う。

僕が使っているのは、BBレンチはバイクバンドのこれ(様々なサイズに対応するので便利。クランクキャップ回しも付属していたけど、今Amazonを見ると画像から消えているので付属しないかも……?)、グリスはシマノのプレミアムグリス。

 

BB交換の仕方については、まずはシマノ公式のディーラーマニュアルをご覧いただきたい。

正直なところ、基本的にはそれ以上の説明はいらないと思うので、この記事では僕なりのポイントや注意点に絞って簡単にご説明したい。

 

BB交換の手順

①左クランクを外す

→先にチェーンは落としておく

→脱落防止ピンに注意

②右クランクを外す

→抜けにくい場合アリ。ゴムハンマー等が便利

③古いBBを外す

→固着の可能性あり。回す方向にも注意。

④新しいBBを取り付ける

→トルクをしっかり。緩むと異音や故障の原因に。

⑤クランクを元通りに取り付ける

→脱落防止ピンもしっかり。キャップは閉め過ぎないように。

 

①左クランクを外す

まずはクランクを取り外す。シマノのホローテックⅡクランクの場合は、左アームに2本のネジがあるのでそれを緩め、脱落防止ピンを外し、クランクキャップも外す。脱落防止ピンは細い棒があると便利で、僕は爪楊枝を使うことが多い。

ちょっとしたポイントとしては、クランクに触る前にチェーンを落としておくことチェーンがチェーンリングにかかったままだと後々面倒なので、先に落としておいた方が作業がスムーズになる。

 

②右クランクを外す

左クランクを外したら、右クランクも外す。こちらはBB内に貫通するシャフトも一体になっているので、引き抜くのが少し大変だ。

パーツの嚙み合わせや汚れ具合によっては非常に硬く、手で引っ張っても抜けなかったりするので、その際にはゴムハンマー等で軽く叩いてやるといい。

 

 

③古いBBを外す

クランクを外したら、いよいよBBを外す。ここでの注意点は回転方向が左右で異なることと、固着等で非常に硬くなっているかも知れないこと。

強い力をかけるので、あらかじめどちらに回すのかを確認しておこう(左は左回りで緩み、右は右回りで緩む。)

固着してどうしても外れないときは、オイルをネジ部分に浸透させて滑りをよくする方法やレンチを延長する方法なんかもあるけど……自転車屋さんに持ち込むのが無難だろう。

 

 

④新しいBBを取り付ける

続いては新しいBBを取り付ける。取り付けの前に、フレームやクランクなど、汚れているパーツをしっかり清掃しておくのも忘れずに。

新品のBBは滑りが良いはずなので、取り付けはスムーズにできるはずだ。ネジ部分にはシマノプレミアムグリスを塗っておく。こちらも回転方向を間違えない様にし(左は右回りで締まり、右は左周りで締まる)、必要トルクでしっかり締める。

 

⑤クランクを元通りに取り付ける

最後に、クランクを元通りにして完成。クランクシャフトの両端、クランクキャップのネジ部分にもグリスを塗っておこう。手順は外すときの真逆で良いので割愛。ここでもトルクに気を付け、ガタがなくしっかりと取り付けられていることを確認する。

因みに、クランクキャップはきつく締めすぎると外すのが大変なのでほどほどに……。

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以上、シマノのMTB用BB「SM-BB52」について、規格や重量、交換の仕方などをまとめてみた。この記事が皆様のメンテナンスのお役に立てば幸いだ。

おわり

 

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