装備レビュー

ロードバイクにボトルケージ増設で4本装備!ーB-RAD4&自作マウント&Elite VIP

一般的なロードバイクに装備できるボトルケージは2本だが、夏場やロングライドでは「ボトルが足りない」という事も多い。特にツールケース等で携帯工具を運搬する場合、ボトルケージが1つ埋まってしまうから、ボトルを1本しか持ち歩けなくなる。

そんな事態を解決すべく、ロードバイクのフレームにボトルケージを増設し、フレーム部分だけでボトル4本を持ち運べるようにしてみた。

今回は、その方法をご紹介したい。

<目次>
1.ベースのロードバイク
2.購入したもの
2-ⅰダウンチューブ下
2-ⅱダウンチューブ内
3.自作マウント
4.完成 & 実走

1.カスタムの概要

まずは、ボトルケージ増設の概要をご説明したい。

今回ベースとなるのは、僕のメインロードであるSpecializedのRoubaix SL4 Disc。エンデュランス系のカーボンロードで、フレームサイズは54

もともとフレームに開いているダボ穴は2カ所のみで、一般的なロードバイクと同様にダウンチューブに1つ(2穴)、シートチューブに1つ(2穴)。

しかし、バイクパッキングでのロングライドがメインの僕には、ダボ穴が2か所では足りなかった。まずツール缶用に1か所欲しいし、夏場なら最低ボトル2本は持ちたい。つまり、最低ラインとしてボトルケージが3カ所は欲しい訳だ。

そこで導入したのがダウンチューブ下への増設で、上の画像のようにダウンチューブ下にツール缶を積載できるようにした。ダウンチューブ下への増設に使用しているは、エリートのVIPというアタッチメント。

この状態で既にボトル2本(ショート1本+ロング1本=1,250ml)は持ち運べるわけだけど、真夏のライド…特に無補給区間が長い山間部となるとこれでは足りない。それにシートチューブ側のボトルが非常に取りづらく、使い勝手が悪かった。フレームバックの収まりも微妙で、ぶらぶら揺れて使いづらい。(フレームバックは、Fairweather:CornerBag。レビューはこちら

そこで改良し、ボトル3本+ツール缶+フレームバックを手にとりやすい位置に配置したのが、今回のカスタムだ。

これならボトル3本(ロング2本+ショート1本=2,000ml)+ツール缶を持ち運べるし、走行中にも手が届きやすくなった。

「じゃあ何を使ったの?」「インストールの方法や注意点は?」というのを、この先詳しくご紹介していきたい。

 

2.購入したもの

市販品を使っているのが、「2-1.ダウンチューブ下のダボ穴増設」と「2-2.ダウンチューブ内の黒いボトル2本」の部分。購入したのはエリートのVIPとWolftoothのB-RAD4だ。

2-1.ダウンチューブ下

まずはダウンチューブ下の『エリート:VIP』からご紹介。

これはボルト穴がついた樹脂製のバンドを締めこんで固定するタイプで、ダウンチューブのΦが太いカーボンロードでも使用可能。

取り付けは簡単だが、僕なりのワンポイントはフレームを養生すること

そのまま取り付けると確実に表面尾クリアは剥がれるし、砂が噛んで傷が入ったりする。

僕が良くやるのは、ラップと廃チューブの2重養生まずは上の画像のように、増設予定部分にラップを巻く。ラップを巻くのは、細かい砂がチューブとフレームの間に入って擦れるのをある程度防いでくれるからだ。

その上から、使い古しのチューブを切って一周巻き、タイラップで固定。チューブはロード用だと細いので、僕はMTBのチューブを使っている。ロードのみの方やチューブレスの方は、ホームセンターで適当な薄さのゴムシートが数百円で売っているので、それを使うといいだろう。

養生が済んだらエリートのVIPを固定。赤いダイヤルをドライバーなどで回し、フレームを締めこんで固定する。廃チューブを噛ませることで、グリップ力が生まれ固定力が上がるので一石二鳥だ。

*噛ませたチューブが若干めくれているのがご覧いただけると思う。エリートのVIPを締めこむとゴムが伸びてひずみ、その結果こういう風になるんだけど、この微妙な隙間から路面から巻き上げられた砂が入り込んでフレームを傷つける。さっきのラップは、これを防止するためのひと工夫だ。といっても、全てを防げるわけではないので傷は妥協するしかないし、定期的に清掃・交換しないといけない。

あとはボトルケージを取り付けて完成!

エリートのVIP以外に、僕が使ったことがあり使用可能だと思うのは『トピーク:ヴァ―サマウント。これは冬季北海道ライドで使ったが、使用感は悪くなかったのでリンクを載せておく。

この手のアタッチメントはいろいろ試しているんだけど、ロードバイクならこの2つが現状の僕の最適解。他の製品が気になるという方は、こちらの記事へどうぞ。

 

2-2.ダウンチューブ内

続いては、ダウンチューブ内側の黒いボトル2本について。

ここで使っているのは、Wolftooth:B-RAD4

B-RADシリーズはダボ穴の位置をずらしたり、増やしたり出来るアタッチメントで、いろいろな種類がある。B-RAD4は一番長い奴で、(↓)の画像の上側。因みに下はB-RAD3。

長細い穴の部分をフレーム側のダボ穴に付けて、本体の穴にボトルケージなどを装着する。

単純にダボ穴の位置をずらしたい場合、小さなアタッチメントなら短いB-RAD2や3で事足りるけど、今回はボトル2本を縦に並べて装着したいので、一番長いB-RAD4が必要になる。

フレームへの取り付けはこんな感じ。ボトルをはめたボトルケージをあてがって、丁度良い場所を見つけて位置決めをし、普通にダボ穴に止めればOK。

BB付近に付けている先ほどのエリートVIPのバンドがB-RADに干渉しそうだったが、同じくダボ穴に取り付けている携帯ポンプ(トピーク:Roadie TT)のブラケットの厚みがいい感じにスペーサーになり、ポン付けでピッタリだった。もし携帯ポンプ無しでB-RAD4とエリートVIPを使うなら、B-RADとフレームのダボ穴の間に5㎜くらいのスペーサーを噛ませてやる必要がありそうだ。

付属のゴムシートとタイラップは、こんな風にスペーサーとして噛ませてフレームに固定する。ダボ穴の位置や使い方によってはあった方がB-RADが安定するみたいだけど、僕の場合は必要なさそうだったので現状は使わないでいる。

最後に、B-RAD4にボトルケージを付ければ完成だ。

一点注意するなら、B-RAD側に付属するネジは六角ではなくトルクスのねじのT25なので、トルクスレンチトルクスビットソケットが必要になる。出先での作業性を考えて、適合する六角キャップネジに交換してもいいだろう。

この状態でボトルケージは3つ。フレーム内のボトルはシートチューブよりもとりやすいし、前三角の中身が広く空くので、より大型のフレームバックを取り付けることも出来る。ボトル2本+ツール缶を使うなら、この組み合わせは勝手がよさそうだ。

B-RADについて、詳しくはこちらの記事にレビューしているのでどうぞ。

 

3.自作マウント

さて、最後に自作マウントについて。これは真ん中に白いロングボトルを積載する、4つ目のボトルケージのためのものだ。

材料はホームセンターで金具コーナーを物色し、ボトルケージの幅にある穴が開いていて(ダボ穴の間隔は6.4㎜前後)、加工が簡単そうな金具を見つけた。使用しているのは

・曲げ金具2つ

・ステンキャプ&ナット

・ステンワッシャー

*下の画像では10㎜ボルトだけど、15㎜の方が勝手が良かったので15㎜に変更した。

途中経過の画像を取り忘れてしまったのが申し訳ないんだけど、、

①ボトルケージを取り付けたい位置に来るよう、曲げ金具をフレームに合わせながら曲げる

②ボトルケージをステンキャップ、ワッシャー、ナットで固定

③フレームにマウントを固定

という流れだ。

②の状態でこんな感じ。パッと見では台座の金具が1枚に見えるけど、強度を確保するために2枚を重ねて使用している。実はこのボトルケージ、ケージだけで65gと重量級なので、マウント自体は79gとそこまで重すぎない仕上がりになっている。

重いのにこのケージを選んでいるのは、自作マウントのねじり剛性があまり高くないから。ボトルの抜き差しかスムーズかつ、横抜きが可能なモデルが良かったので、あえてこのゼファールのケージを使っている。

あとは、マウントをシートチューブ側に固定するだけ。

この自作マウントは、ボトルケージ側のネジもフレームへの固定ネジも、アーレンキーが届きにくくトルクが掛けにくい作りになってしまっている。グラベル走行も考えると緩む可能性が高いので、ロックタイトの中強度緩み止めを塗布しておいた。

これで作業完了。綺麗に収まっていて、見栄え的にもGood。

 

4.完成 & 実走

試走を済ませたところ、このボトル配置もアタッチメントもかなり良い感じ。

フレームの三角内、特にBB付近に重量物である水が詰まっているから、バイクの重量は重くとも走行感は案外軽い。ダンシングのフィーリングもなかなかGood。

上から見ても、もちろん横への飛び出しは無い。

ロードバイクでボトル4本をフレームに搭載しようとすると、良く使われるのがこんなやつ(↓)なんだけど、フレームの横側にボトルが飛び出してしまう。

これでも膝が当たらない方も多いみたいだけど、フレームバックを使っている感じでは、僕は邪魔になりそうなので敬遠している。フレームバック用のスペースがより広く空くから良さそうな一方、若干重心が上がってしまうというデメリットもありそうだ。

このスタイルで1,000㎞は使用してみたが、特に問題なし

ボトルを増設する目的でもあった400㎞のヒルクライム&グラベルライドでも、かなり使い勝手が良く長距離の無補給区間を快適に走行することが出来た。上の画像のような緩めのグラベルを走っても、マウント類の破損やネジの緩みは起こっていない

現状、僕はこの仕様にかなり満足している。

ツーリング記はこちら(↓)

これからの真夏のロングライドではボトル3本スタイルも良いだろうし、ショートボトルを輪行袋に変更して、ロングボトル2本のスタイルでも良いだろう。

特にフレーム中央の自作マウントは気に入っていて、こんな風にボトル2本装備の時も抜き差しが楽だ。フレームサイズが小さな方でもこの配置ならダブルボトルが可能なようなので、何か役立つかも知れない。

しばらくはこのスタイルが僕の中の定番になりそうだ。

おわり

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