ツーリング記

ロードバイクで獲得標高8,848m!狂気の「エベレスティング」に挑戦してみた

自転車乗りなら誰しも『獲得標高=登った累積の高さ』という言葉を耳にしたor意識した場面があるだろう。

普通はロングライドでも3,000mくらいまでが一般的だが、世の中には狂ったチャレンジが存在する。その1つが『エベレスティング』で、世界最高峰のエベレストと同じ8,848mを登るというもの。

今回は、そのエベレスティングへの挑戦をまとめていきたい。

<目次>
1.エベレスティングとは?
2.挑戦する峠を決定
3.いざチャレンジ!
4.エベレスティング達成!!

1.エベレスティングとは?

まずは題材にしている「エベレスティング」というチャレンジについて簡単に。

概要は「1つの峠を繰り返し登り、8,848m以上登る」というものだ。細かいルールもいくつかあって、それは以下の通り。なお、詳細はエベレスティングの公式サイトこちらのページに載っているので、変更される可能性もあるしチャレンジされる方は一読しておくのがおススメ。

で、基本のルールは

ルール

・1つの坂を登り降りする

・「坂」は有名な峠から住宅街の登り、橋などなんでもOK

・毎回セグメントの全体を登りor下り切る

・登りも下りも全て乗車する。押し歩きや車等の利用はNG

・下りのルートは登りと同じ

・制限時間はなし。ただし途中睡眠はNG

・獲得標高の判定はSTRAVAのセグメントが基準(STRAVAでセグメント登録されているor自分でする必要がある)

・補給や休憩でセグメントを離脱するのはOK(ログも取りっぱなしにする)

 

という感じ。少し細かい感じもするけど、要するに『1回のライドかつ1つの峠で、合計8,848mヒルクライムしようぜ』という話。もし仮に、下りを別ルートにして周回コースにしてしまえば下りの慣性で登れてしまいヒルクライムじゃなくなるし、寝たら1回のライドじゃなくなってしまう。

獲得標高の計算は測定方法によって結構誤差が出てしまうものなので、STRAVAのセグメントに統一されている。つまりサイコン等で測定された獲得標高は無関係で、セグメントの獲得標高×本数で測定。

その他、「First Known Acent=そのセグメントで初達成」「Virtual=Zwiftで達成」「10,000m=1万m以上登る」「Short=200㎞以内達成」「Significant=有名な峠」「Soil=オフロード」「Suburban=郊外」なんていうアチーブメントも用意されている。詳しくはこちらへ

 

2.挑戦する峠を決定

エベレスティングはセグメントが自由なので、自分に合ったセグメントを選んで走るのが達成のコツだ。

さて、僕はどんなセグメントを選んだかというと、ニュータウン系の住宅街の登り坂。挑戦をする上で重視したポイントは以下の通り。

Point

・斜度が6%前後

・1本の獲得標高が200m前後

・路面が良い

・ダウンヒルが安全

・コンビニが近い

 

という感じ。僕はヒルクライムが得意な方じゃないけど距離を走るのには慣れているので、距離が伸びても斜度が緩い方が良かった。そして1回の獲得標高は控えめに。登りも下りも連続すると疲労が蓄積しやすいから、適度にアップダウンが繰り返される方が良い。

また、路面の良さダウンヒルの安全性も重要視。特にダウンヒルが安全であることはマストで、体力の限界を求めるチャレンジではいかに安全に降るか?というのが肝になる。登りは落車してもダメージが小さいが、降りでスピードが出た状態で落車すると大けがに繋がるうえ、疲労がたまった状態ではバイクコントロール等のミスも起こりやすい。

そして、補給ポイントであるコンビニが近いこと。エナジージェル等のみで走り切ってしまうならコンビニは不要だけど、僕は休憩でちゃんと暖かい食事をしたい派なのでコンビニが必須だ。エベレスティングでは合計10,000㎉くらいは消費するので、補給をおろそかにしてはいけない。

 

で、それらの条件を満たすのが、僕の選んだ「那智が丘ヒルクライム」というコース。概要はこんな感じ。

那智が丘ヒルクライム

・平均斜度:5.5%(3~10%)

・片道距離:2.5㎞

・獲得標高:140m

・コンビニがスタート地点に併設

・路面がいい

・夜間も街灯アリ&コーナーがきつくない

 

もう僕にとっては完璧なコース。多分エベレスティングは自分に合ったコース選択が達成に不可欠なので、あちこち試走してよさげな場所を探した。

唯一の欠点を上げるなら、住宅街のヒルクライムなので朝晩は多少交通量があり、住民の方がフラッと歩いていることが多い点。交通事故には注意が必要だった。

「で、何回登ればいいのか?」は、このエベレスティングの計算サイトが使える。登りのペースや休憩のタイミング等を入力することで、必要な時間も算出できるから便利。

計算結果によると63.2本、つまり64本登り切ればOKという事らしい。はぁ、64本かぁ…。(笑)

 

3.いざチャレンジ!

天気のいい休みの日を狙って、いざエベレスティングに挑戦!

バイクは僕のメイン機:スペシャライズド ルーベ SL4Disc。

普段はパッキング満載だけど、今回はなるべく軽量化を。つけているのは携帯工具と750mlのロングボトル1本、R250のフロントポーチのみ。斜度は緩いけど、余裕をもってギア比は50/34×11-34Tをチョイス。無理して踏まないのが僕の登りの鉄則。

着替えや防寒着などの荷物は、途中の広場(?)みたいな場所の看板にデポ。一応ワイヤーロックで施錠して、貴重品はもちろん自分で身に着けておく。まあ、場所的に迷惑になることはまずないと思うけど…20分に一度は通るからもし邪魔になっていたら除ける作戦でGO。

登り返す回数が多いので、ハンドル(正確にはVolt800のブラケットで共締め)に100均で買ったカウンターを取り付けて、回数が分からなくならない様にしておいた。

 

スタート!

補給も買い込んで、いざスタート!!

時刻は06:55日の出から1時間くらいで、太陽の光が心地よい。気温は5℃くらいなので、アウターのハードシェルを着て体を温めていく。

僕の選んだセグメントは、途中でこんな景色も見られる。絶景ライドでもなんでもないが、やっぱり景色がいいと辛くても頑張れるというものだ。

斜度は平均5.5%と緩やかだが、序盤はとにかく温存が重要なのでのんびりまったり…。時間制限もないことだし、余裕を持って走るのが得策だろう。

全部で64本必要なので、分解し8本を8セットと考えた。「64本」という数字に固執すると頭がおかしくなりそうなので、なるべく自分が簡単にクリアできそうに感じる考え方を心掛ける。

 

休憩を挟み淡々と…

エベレスティングはほぼ丸一日かける長丁場なので、補給もしっかりと。僕はロングライドはしっかりご飯を食べたい派なので、3~4時間おきにコンビニでお弁当+菓子パン・おにぎりを食べた。ご飯を食べると体にリズムが生まれるので、単調なライドほどメリハリをつけて走ることが出来る。

登りながら「次は何を食べようかなぁ~」とか「あのお弁当まだ残ってるかな?」みたいな事を考えながら、ひたすら峠を反復。

当然のことながら、全く景色が変わらないので飽きる。登ること以外の何か別の事を考えたり、完全に思考停止したり…。

路面はとても綺麗なので、細かいバイクコントロールに気を遣わなくていいから楽ちん。もちろん住宅街だから歩行者や車に注意するけど、登りは10~15㎞/hしかスピードを出さないので事故も起こりにくい。

そういう精神的な疲労は後半にじわじわ効いてくるので、走りやすい道を選んで良かったなと実感した。

約半分で2回目のご飯休憩。

20本を超えたあたりから、自分ではもう何本走ったのか分からなくなった。ダイソーで買ったやつだけど、カウンターもつけておいて良かった。

走りながら気づいたのは、ガーミンで実測した獲得標高が結構STRAVAのセグメントとズレていること。平均して1本あたり数mの差だけど、何十本も積み重なると大きな差になっていく。STRAVAベースで認定されるというのが分かっていても、こうも差が出てくると不安になるものだ。

 

夜と苦しみ

のこり25本くらいになったところで、日が暮れてきた。まだ3月上旬の東北だから、日が落ちるとそれなりに冷え込む。最低気温はだいたい0℃ちょい。

体を冷やしてしまうと体力が奪われるし、膝の痛みにもつながりやすいから気を付けて走る。ハードシェルを着て、ネックウォーマーで体温調節。

実のところ獲得標高7,000mくらいまでは意外と楽で、飽きてきたことを除けばそれ程辛さは感じなかった。

しかし、8,000mが近づくにつれ一気にペースダウンパワーが落ちてきたらしく、全体的にギア1~2枚軽くしないと踏めない。グロスタイムが15時間を超えてくるので、慢性的な疲労も徐々に見えてきた。

懸念していた膝にも少し違和感が出てきて、踏み方にも一層気を付けながら慎重に走る。斜度が最も強い場所は10%ちょと、ここで34Tのスプロケが活きてくる。無理せずシッティングでゆるゆる回せるので、負荷を最小限に出来た。

で見える夜景が精神的な救いで、遠くをボーっと眺めてリフレッシュ。

身体的な負荷も苦しいんだけど、もう「飽き飽きしている坂を何度も登り続ける」という精神的苦痛も大きかった。登りながら「まだあと○○本かぁ…」というのが辛い。ロングライドなら街が変わり景色が変わり…と進んでいる実感があるけど、エベレスティングはサイコンの数字以外に進んでいる実感がまるでない。「確実に終わりには近づいているのだ」と自分い言い聞かせて、何とか1本ずつ消化していく。

 

4.エベレスティング達成!

獲得標高 8,848m

そしてついに、規定の64本終了!! 当然ながら63本目までと景色が何ら変わらないので実感がないが、どうやら終わったらしい。

64本が終わった時点でのタイムは17時間50分。予想以上の好タイムで、自分でもビックリだ。

エベレスティングのルール的には良いはずなんだけど、例によってガーミン上では8,848mに足りないのが気になるので、追加で1本走っておくことに。実はSTRAVAでセグメントの勾配を見ると微妙な下りがある様だけど、実走感覚では平坦気味なだけで下っている感じは全くしなかった。それもあって、手元のガーミンでもちゃんと獲得標高8,848mを達成しておきたかったのだ。

とりあえず凄くお腹が空いたのでコンビニで夜食を食べ、休憩してからおまけのヒルクライムへ。

そして、Garmin上でも8,848mを達成!!

うん、これでスッキリ。気持ちよくエベレスティングを終了させ、帰路についた。

 

さっそく申請!

家で寝たら、さっそくエベレスティングの申請を。申請はこのエベレスティング公式サイトから出来て、詳しい申告方法はこちらのブログを参考にした。

詳しくは(↑)のサイトを参考にして頂きたいが、申請の大まかな流れは

申請の流れ

①STRAVAにログをアップ(閲覧権限を公開しておく)

②エベレスティング公式サイトから連携

③申請手続き

 

の3つ。実際にやってみて、②③の申請自体は凄く簡単だった。

しかし、予想外に①で手間取る羽目に…。手間取った理由は、帰宅して早速STRAVAにログをアップしたら、なんと走行記録が2つに分割されてしまっていたから。なぜかログの前半がアーカイブされてしまっていて、普通に軌跡保存をしたら6,000m分しか反映されていなかった。当然そのままでは申請が出来ないので「アーカイブされた部分と、残りの6,000m部分を結合してSTRAVAにアップする」というひと手間が必要に。ログの結合については、こちらのブログ(↓)が凄く参考になった。

無事に①STRAVAにログのアップが出来たら、②と③を済ませて申請完了。

申請時には実測ログの走行距離や獲得標高が表示されるけど、認定やエベレスティングサイトへの掲載はセグメントベースのものに変更されるのでご安心を。

そして、申請から2日でSTRAVAに「承認したよ!」というメッセージが!!

申請時に「だいたい1週間以内に返事をするよ」というメッセージが来ていたので、思っていたよりも早い承認で嬉しい。早速エベレスティングの達成リストも確認。うん、ちゃんと反映されている!!

前々から「凄いなぁ…」と思っていた人達の記録の中に、自分の記録が並べられているのが嬉しい。意外とやってみれば出来るものだな。アチーブメントも「First Known Acent=そのセグメントで初達成」「Suburban=郊外」の2つをアンロックできたみたい。いえい。

辛い場面はあったけど、達成感も大きいのでやって良かったなと思う場所も制限時間も問わないチャレンジなのでハードルも低いし、気になる方は是非。

おわり

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