装備レビュー

【詳細レビュー】自転車や登山におたふく手袋のボディータフネスはどうか?ジオラインと比較して考える

いまやコスパ系インナーとして地位を確立している「おたふく手袋」。特に自転車界隈での認知度が高いように感じる。

このブログに紹介するのは初めてだが、実は僕も日常の自転車ウエアとして愛用&ヘビロテしていたり。今回は、そのおたふく手袋の「ボディータフネス 保温 コンプレッション」の上下を購入し数カ月使用してみたので、商品のインプレ・レビューを行っていきたい。*やや長文です

<目次>
1.本題の前に
2.各部紹介
3.使用環境
4.保温力と汗冷えは?
5.レイヤリングとの相性
6.耐久性と信頼性
7.このインナーは「買い」か?

1.本題の前に

まずは本題に入る前に、前提としていくつか押さえておきたい事を簡単に。これらを適当に語ってしまうと、このボディータフネスの評価が適切に伝わらないので書いておきたい。

⑴「コスパ」の意味

製品のレビューではよく「コスパ」という単語が使われるが、その定義が曖昧で誤解を生む可能性がある。

「コスパ」はコストパフォーマンスの略で、本来的には「価格に対する性能」という意味しかなく、その製品の価格自体は関係ない。例えば、次の①~③で最もコスパが良いのはどれか?という問題があるとする。

①性能:20、価格:10

②性能:30、価格:14

③性能:15、価格:8

本来的は意味は「性能÷価格」の値が最も大きい②が最もコスパが良い。しかし、なかには「そもそも安いものじゃないとコスパが良くない」と考える人もいるらしく、①や③をコスパが良いという人もいる。この記事(というか僕のブログ)では、前者の本来的な意味のみで「コスパ」という言葉を用いていくのでご理解いただきたい。

 

⑵ウエアは相性と主観評価

例えば「このロードバイクは空気抵抗が少ないか?」とか「このギアはどんな環境で使えるか?」という話は、製品と客観的な環境を語れば誰が使っても概ね同じ結果が得られる。

しかし、ウエアに関しては気温や風速などの外的環境以外にも、「汗をかきやすい体質か?」「併用するウエアとの相性は良いか?」「使用者の体形に合っているか?」…という様な、使い手との相性がものをいう。さらに、その評価も極めて主観的だ。だから、僕のレビューはあくまで参考情報の1つとしてどうぞ。

 

⑶「レイヤリング」が基本

アウトドア用のウエア(特に寒い時期)は、いわゆる「重ね着」をするのが前提になる。で、その重ね着だが、ただ単に何枚も着ればよいというものではない。その重ね着の基本となる考え方が「レイヤリング」だ。

簡単に説明すると「①ベースレイヤー=汗を吸い早く外側に放出するもの、②ミドルレイヤー=保温力を担保する空気の層を作るもの、③アウターレイヤー=雨風雪をシャットアウトするもの。」という役割を与える。詳しくはモンベルのページが分かりやすいので、そちらへどうぞ↓

僕もウエアを検討するときはレイヤリングに基づいていて、このボディータフネスはベースレイヤーに当たるものである。

 

2.各部紹介

さて、いよいよここからが本題。まずは「おたふく手袋 ボディータフネス」の各部の紹介から。

因みにおたふく手袋からはさまざまなインナーが発売されていて、商品名も似通っていたりタイトルが長かったりするから正式名称が良く分からない…(笑)。この記事でご紹介するのは、Amazonでおたふく手袋 ボディータフネス 保温 コンプレッション パワーストレッチ 長袖 クルーネックシャツ JW-174というタイトルのシャツとおたふく手袋 ボディータフネス 保温 コンプレッション パワーストレッチ ロングタイツ JW-162というタイトルのタイツ。要するにこれ↓

これらを、以下「ボディータフネス」と表記していくのでお間違いなく…。(公式HPはこちら

購入したのは2019年10月で、ブラックのLサイズ。僕の身長は177㎝、体重67㎏。体型は普通かやや細身、腕と脚は平均より長い方。ここからは素人測定なので誤差がありそうだけど、胸囲90㎝、ウエスト73㎝、股下84㎝。

着てみるとこんな感じ ↓

サイズ感は普通だろうか。個人的には上下ともにウエストを細くして袖と裾の丈を伸ばしてほしいが、サイズチャート通りなので製品としてはきちんとしていると思う。丈はLかLL、ウエストはMにしてくれると僕的にはベスト…。僕より細身の方はちょっと辛いかも。

伸縮性はそこそこ。一般的なタイツやインナーとして考えると硬めで伸びない印象。

「コンプレッション」と商品名に書いてはいるが、それほど締め付け感の強いシルエットじゃないし素材でもない。サイクルジャージや本格的なウエアのコンプレッションをイメージすると「全然ない」と感じるだろうし、一般的な感覚から言えば程よく体にフィットする。汗を排出するためになるべく体にフィットするのが望ましいので、多くの人に受け入れられやすいちょうど良い具合だと思う。

生地は裏起毛の様になっている。裏地は起毛と言っても毛足は凄く短いので、モコモコする感じはなく割と着心地は良い。所謂「暑くも寒くもない」感じ。表面は結構しっかりしている印象生地の目も結構詰まっていて、速乾系インナーにしては毛羽立ったり引っかかったりしにくい素材感だ。

縫い目や末端処理はしっかりしていて、この価格とは思えないクオリティー。しかも、(多分)縫い目が基本的にフラットシーマー(裏地が平らになって肌当たりが良いもの)になっていて、購入時点からかなり高印象だった。

しかし、タイツの内股〜裾部分だけは縫い目が裏に出る処理方法。たぶん表側に縫い目を出さない縫い方がされた結果こうなっているんだけど、僕としてはインナーなんだから肌への当たりが優しい方が嬉しかった…。(下画像で、左:ボディータフネスシャツ、真ん中:ボディータフネスタイツ、右:モンベルのジオラインEXP)

因みに参考だが、モンベルのジオラインは裾口がらせん状に縫われていて、締め付け感の軽減と生地の自然な伸びを出していたり。縫い目は全部フラットシーマー。

上の画像を比べると、左側二つのボディータフネスと、右のジオラインの素材感の違いも良く分かると思う。ジオラインはL.W./M.W./EXP.の3種類の厚みがあるが、生地の感じはどれも同じだ。ボディータフネスの厚みはL.W.とM.W.の中間くらい。

僕はロングライドではジオラインをメインインナーとして使っていて、この記事の中でも時折ジオラインとの比較を入れていく。その比較にこのボディータフネスを理解するポイントがあると思う。

 

3.使用環境

僕のボディータフネスの主な使用場面は毎日の通学ライド(+普段着)距離は往復20㎞強で、合計で月に500㎞は走っている。特に帰りはそこそこのペースで走るので、ある程度強度は高めだ。因みに使用者の僕は超汗っかき

購入したのは去年の10月なので約5カ月が経過し、上下2着をほぼ毎日ローテーションして着ている。たぶん長距離ライドに出掛けた日以外、毎日ボディータフネスを着ているんじゃないだろうか。(笑)

秋の終わりから春にかけての使用なので、使用気温は15℃~0℃くらい。ボディータフネス(上)は重ね着のベースレイヤーとして、タイツはベースレイヤーorそのまま上にハーフパンツ等を履いて使用することが多い。

普段の通学のほかにはローラーでも使用している。僕は汗っかきなので途中で脱いでしまうことも多いが、長時間回すときは着っぱなしだったり。特に数時間連続で走るときは、途中から扇風機の風で体表面が冷えるので必ず着ている。

一方で、自転車に乗ることのみが目的となるロングライドや登山では、使用実績が少ない。

理由はこの先書いていくけど、メインで使用しているベースレイヤーはモンベルのジオライン。タイツだけは、この時 ↓ のライドで使用した。

 

4.保温力と汗冷えは?

ここからボディータフネスの使用感を詳しく書いていきたい。はじめは気になる「保温力」と「汗冷え」についてから。

まず保温力に関しては、ボディータフネス単体の能力として結構高い。↓ の画像ではタイツに雪が付着しているとおり、雪が舞うくらい(0℃+α)だが、下半身はボディータフネス1枚+薄手のハーフパンツで走っている。ロングライドとなると少々寒いが、10㎞前後の距離を強度を高めで走る分にはこれで全然問題ない。

外側の生地の目が詰まっていて多少の防風性も兼ね備えているので、単体でベースレイヤーとアウターレイヤーの役割をある程度兼ねたようなパフォーマンスを発揮してくれる。「春秋用サイクルジャージの代わりのようなイメージ」でボディータフネスを使用できると言ったところか。

5℃くらいまでの街乗りレベルなら、上はボディータフネス+厚手のパーカー、下はボディータフネス+薄手のパンツで大丈夫。程よい保温力なので、他のウエアとの組み合わせを選ばないのも良いところだと思う。

そして、汗抜けも1,500円のインナーとは思えないくらい良い。

冬場の寒い部屋でローラーを回していると、こんな風に ↓ 抜けた汗がボディータフネスの表面に付着する。実際の使用感としても、汗の排出は速い方だ。

ここでもう一つ触れておきたいのは、「実際の汗の乾きの速さ」と「使用者の乾いているという感覚」は別物であるということ。汗をたくさん吸った時に、べちゃっとした感触で冷たくなるウエアもあれば、肌に張り付かずにさらっとした感触のウエアもある。

ボディータフネスは汗の乾きも良いが、それ以上に着ているときの感触が悪くなりにくいのが凄い。ローラーではパンツが絞れるまで全身汗ダラダラ状態になるけど、意外と着ているときの不快感は少ない。例えばユニクロのエアリズムやヒートテックは最悪で、ウエアが肌に張り付いて気持悪いからいつも脱ぎ捨ててしまう。また、長時間のローラーでは結構汗冷えも起こるが、ボディータフネスを着ていればかなり汗冷えを防止できる。

ただ、単純に性能値をモンベルのジオラインL.W.と比較すると、ジオラインの方が実際の乾きもさらさら感も上回ると僕は思う。特に純粋な汗の乾きはジオラインに軍配が上がる。L.W.やボディータフネスより分厚いジオラインM.W.とでも、ジオラインの方かな…?と言う感じ。ジオラインの価格はボディータフネスの約4倍なので、性能値で語るならジオライン、コスパで語るとボディータフネスと言ったところ。

 

5.レイヤリングとの相性

…と、ここでちょっとネガティブな話を。

先に書いた通り僕は冬季北海道ライド&登山でボディータフネスを使っていないし、限界を求める様なロングライドでの運用も予定していない。それは、僕のウエア構成のスタイルである「レイヤリング」との相性が微妙だからだ。

まず、僕は記事の冒頭1.⑶で書いた通り、ベースレイヤー単体には保温力をさほど求めていない。1枚目に着るインナーとして、ライド中の「寒くない」保温力があれば事足りる。

その点、ボディータフネスは目の詰まったしっかりした生地で、防風性等のアウターレイヤーの役割まで持っていたりする。

「別に防風性がある分には良いじゃん」と思う方もいるかも知れないが、ほんの少しでも汗をかかずに過ごしたい冬の北海道などでは、体温調節が非常にシビア。特にキャンプツーリングをする僕にとっては文字通り死活問題で、乾かなかった汗は他のウエアやシュラフを凍らすし、1度凍ったものは凍ったままで乾かせない。結果的に凍結で性能が低下するうえ、身に着ければ氷が解けて強制的に熱が奪われ、凍傷や低体温症の原因になりかねない。

そもそも汗をかかないのが最善なので、ヒルクライムなどで体温を下げたいときには簡単に外気温によって体を冷却したい。ベースレイヤーに防風性はむしろ邪魔な存在である。汗抜けが良くて防風性のないフワフワな素材がベスト。(ジオライン以外の山岳系インナーが軒並みフワフワ素材なのもそのためだと思う)

それに実際問題防風性があるとその分汗の乾きは遅くなる。寒冷地や体力的に厳しい場面であるほど、ベースレイヤーとして最低限の暖かさを確保しつつ「ほんの少しでも汗抜けの良さにステータスを振りたい」という思いが強い。だから僕は、厳しい環境や体力の激しい消耗が予想されるライドではボディータフネスを使っていない。より危険が想定されるor想定外の環境に陥りやすい冬山登山でも同じく。(僕の尊敬する方々が、環境的ではなく体力的に極限の状況下でボディータフネスを使っているので、個人との相性や戦略よってはロングライド等での使用も十分良いのかも知れない。ただし、最悪低体温症で死ぬ」という結果を見据える環境的厳しさ=冬山や冬季北海道を想定するなら、妥協のない選択をすべきだし僕はジオラインを選ぶと思う。)

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補足:長時間使用での問題

ちょっと話は逸れるけど、前述したとおりタイツの一部分がフラットシーマーでなく、多少のコンプレッション感もあるので、着ていると脚にこんな感じ ↓ に縫い目の跡が付いてしまう。(汚い画像をすみません汗)

ボディータフネスに限らず、サイクルジャージでもコンプレッションが強いと多少なりともこうなる。半日の使用なら問題ないんだけど、寝ずに走るようなロングライドや常に着用し続ける冬山での使用は僕はちょっと避けたい。

因みにジオラインにも同様の位置に縫い目があるんだけど、フラットシーマーかつコンプレッション感が少ないので跡がつくことはない。更に、ジオラインは長期間着続けても臭くなりにくいという大きなメリットもある。少々本筋とは離れるけど、1日で完結しない遊びが多い僕のスタイルではジオラインの方が勝手が良く、それも僕のベースレイヤー選択に影響している。

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もちろん、ボディータフネスがまるっきりダメか?というとそうではない。まだ持っていなかったから使用実績はないけれど、タイツは雪の無い時期の登山で使用可能性は十分ある。

僕はタイツ+ショートパンツで登山をすることが多いので、微妙な季節はタイツ単体である程度の防風/保温性と汗抜けを確保してくれるものが欲しい。また、登山タイツは岩や枝に擦れても破れない耐久性があると良いし、汗抜けに関しても上半身程シビアではない。そういった環境ではボディータフネスがピッタリなんじゃ?とも思っていて、価格の安さや入手性の高さも相まって、僕の中でそういう使い方への期待は高い。ジオラインをむき出しで使うのは良くないし、積極的にボディータフネスを採用すると思う。

さらに、そもそもレイヤリングをしにくい街乗りライドや毎日の通学、中途半端な気温の時など、表面が強いことが逆にメリットになるシーンもたくさんある。特に日常使いをするなら、で挙げる「耐久性」の問題からも、ジオラインは微妙な面もある。要するに向き/不向きがあって「使い分け」が大事なのだ。

 

6.耐久性と品質

ウエアは何度も使用するものなので、長期的な耐久性も重要になる。いくら安くて高性能と言っても、すぐに壊れてしまう様ではかえってコスパが悪い。

その点、ボディータフネスは耐久性が高くて超優秀使用環境の説明でも書いたけど、僕はこの5か月間ボディータフネスを超ヘビロテしていて、基本2日に1度は着ているくらいの計算になる。それにも関わらず、ほつれや変な伸びは無く、まだまだ使えそう。

扱いもこれと言って難しいところは無くて、普通に洗濯機で洗えるし色落ちもしなかった。そういうお手入れの楽さも日常使いではメリットの大きいポイントだ。1日使う⇒洗う⇒乾かす⇒1日使う…を5カ月間ひたすら繰り返しているが、↓ の通りサドル付近も劣化は見られない。

品質についても十分良いと思う。僕はボディータフネスを合計4枚購入したが、購入時点でもほつれや処理の甘さは見られなかった。

工業製品なので多少のばらつきはあるだろうけど、僕はこの品質なら言うことはないし満足。以前Amazonで同じくらいの価格のインナーを購入したことがあったが、ほつれは多かったし色落ちしまくるし伸びるしですぐに使わなくなって捨てた。

実は愛用しているジオラインも、ほつれやすいという弱点があるので日常使いはしていない。特にジオライン単体でむき出し状態での使用をすると、すぐにボロボロになって穴が開いてしまう。

前述したとおりだが、ボディータフネスは表面がしっかりとした生地なのでほつれにくいし穴も開かない。耐久性や品質ともに、使用回数の多い/使用場面の広い用途に適している。この点では明らかにジオラインよりコスパが良いし性能値も高い。

 

7.で、結局「買い」か?

結論からいうと、限界を求めないアクティビティや、日常使用を想定するなら「買い」だ。

必要な汗抜けや温かさを確保していて、この値段と品質、耐久性を兼ね備えているとなると、もう買わない理由が見当たらないくらい。毎日20㎞強をロードバイクで走る僕だけど、ひと冬着続けたしこれからも着続ける。本当に通勤通学ライドなんかには良い。「コスパ最強ウエア」と言っても過言ではないだろう。

ただし、「コスパ」と「要求性能」の両面で評価するのを忘れてはならない。体力の限界を求めるロングライドや、登山のような厳しい環境になればなるほど、性能の要求水準がシビアだ。特に冬場はウエア性能の良し悪しが体力の温存、ひいては安全性に大きく影響するので、コスパ一辺倒でウエア選択をするのは絶対に止めるべき。だから僕は「ボディータフネスはコスパ最強で、冬場のサイクリングにおススメ!」みたいな、コスパと性能をごちゃ混ぜにした適当なことは言えない。

・限界を求めない短期ライド(登山)

・インナーむき出しでの使用

・日常的な継続使用

 

では、僕が求める水準を満たすし、間違いなくコスパは良いのでお勧めできる。逆に本文で挙げた理由から、冬山等にはおススメしない。ここまで読んでくださってもなお気になる方は、1着1,000円ちょっとで買えてしまうので、とりあえずお試しで購入してみても損はないはずだ。↓

おわり

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