ツーリング記

超ロングダート「白神ライン」を自転車で走ってきた!ー北奥羽ライド②

日本でも有数のロングダート「白神ライン」。

その名の通り白神山地を通る林道で、弘前~岩崎までの約42㎞のオフロードが楽しめる。今回は、北奥羽ライドの初日のルートに組み込み、その全線を走破してきた。

<目次>
1.白神ラインってこんな道
2.入口~津軽峠
3.津軽峠~天狗峠
4.天狗峠~一ツ森峠
5.走行には十分な準備を

1.白神ラインってこんな道

まずは白神ラインがどんな道なのかを簡単にご紹介。

正式名称は「西目屋岩崎弘前線」で、青森県道28号線。弘前側の「アクアグリーンビレッジANMON」から、「笹内川」沿いに至るまでの約42㎞にわたってダートが続く

途中短い舗装区間があるものの、42㎞にもなる連続ダートは全国的にも稀。そして、崩落が多く冬季閉鎖期間も長いため、そもそも走れる期間は短い。また、数年前まで約半分に渡って常時通行止めになっていて、全線開通し走行可能となっている今はチャンスでもある(2019年6月現在)。

*途中赤石川沿いに鯵ヶ沢へと抜ける「町道赤石渓流線」は常時通行止め(2019年6月現在)

開通状況については、こちらこちらで確認できる。

自転車乗りの表現をするとおそらく「グラベル」とか「ダブルトラック」というジャンルの道で、岩や木の根の類はない。乗用車の交通量も意外に多いためか整備されている印象で、大量の砂利が撒かれている区間も多かった。ある意味これぞまさしくグラベル=砂利道、という感じ?

砂利撒き地帯以外の路面は締まっていて、MTBなら快適、グラベルロードでも普通に楽しく走れる道だと思う。車の往来は僕が走った平日の昼で1時間に1〜2台程度。

忘れてはならないのが獲得標高で、42㎞の間に約1,500m登る。(ルートラボでは1,476m、Garminの実測では約1,600mだった。)全体として、400mUP前後の峠が3つ並んでいるようなコースだ。ダートの登りは疲れるうえ、当然補給地点もないので装備には要注意。

また、ツキノワグマの出没情報が多い場所なので、当然ながら熊対策も怠ってはならない。今回は熊鈴をハンドルバーに付けていたほか、熊用スプレーも携帯していた。出来立てホヤホヤのフンもあったので、いつ出会ってもおかしくない道だと思う。走る方は注意されたし。

 

2.入口~津軽峠

紹介はこのくらいにして、ライドの記録を。

僕は北奥羽ライド初日にこの白神ラインを組み込んでいた。ここまで八幡平アスピーテラインや十和田湖など、岩手〜秋田の山間部を走ってきている。(その様子はこちら)白神ラインは今日の大ラスだ!

津軽ダムの上流のほう

アプローチは弘前側からで、まず白神ラインの入り口 : アクアグリーンビレッジANMONを目指す。津軽ダム沿いを走るコースで、路面も良くダムの真横を走れた。

僕は特別ダムに興味がある訳じゃないが、深い森に聳える巨大建築は見ていて面白い。

最後の水分補給…

その間にも道端にはたくさんの熊のフンがあって、先程クマと出会った記憶が蘇る。白神ラインでは会わないで済むと良いんだけど…。

程なくして、ダートの入口へと到着。ここ:アクアグリーンビレッジに最後の自販機があるが、僕の携帯(Softbank)はすでに圏外だ。

有名な?看板(笑)

白神ラインの看板に従って小さな橋を渡ると、ダートの入口があった。

時刻は13:45。いよいよ42㎞のロングダートが始まる…。

まずは最初の峠=津軽峠を目指し登り続ける。

道幅は案外広く、車幅1.5〜2台分くらいありそうだった。路面は撒きたての浮いた砂利ばかりで、タイヤが取られて走りにくい。テント泊装備ありだと尚更だ。

実は僕のバイクは、ディスクロードになんとか32cのシクロクロスタイヤを履かせただけのもの。SL4時代のルーベで、グラベルロードやMTBの類ではない。

勢いで押し切れば何とかなるが、気がつけばここまで220km、獲得3,200mを走っているので、既に僕の脚にもう余裕は無い…。笑

と、あれこれ愚痴をこぼしてはいるが、なんだかんだで凄く楽しい。(笑)

これほどしっかりしたグラベルを走るのも初めてだし、このハードモード感もゾクゾクして堪らない。

途中、写真撮影という名の休憩をたくさん挟みながらやっと津軽峠到着。時刻は14:40。自覚はしていたが相当ゆっくりペース。それでも脚にダメージが残る。

この津軽峠から5分くらい歩いたところに、マザーツリーというブナの巨木があるらしい。なんでも推定樹齢400年とか。時間があったら行こうかなと思っていたけど、走りに集中していたら忘れてしまっていた(笑)まあ、それは次回へのお楽しみ…。

一応6月〜10月は路線バスも通っているらしく、ここまでは人の気もあった。観光地とはいえ、こんなところまで路線バスが来るなんてびっくりだ。(笑)

さぁ、お待ちかねのダウンヒルへ!

 

3.津軽峠~天狗峠

津軽峠からは道が狭くなり、車幅1〜1.5台分程度に。路面からも砂利が減り、締まったグラベルが剥き出しになる場所が多かった。

自動車には走りにくいのかも知れないが、僕にとってはこういう路面が嬉しい。細いタイヤ且つ重い車重の僕にとっては、タイヤが沈まないのが快適さの第1条件。偶に岩が飛び出しているくらいなら、避ければいいだけの事だ。

楽しい下り

峠を1つ越えた達成感と、望み通りの路面になった喜び、思いっきりダートを楽しめる開放感で満たされる。

そう、僕はこんな路を求めていたんだ!

やっぱりオフロードは楽しい!路面が自然に近い未舗装路の方が、森を駆け抜ける感覚が強い。

そして、自分なりに思ったライン通り走れるとめちゃくちゃ気持ちがいい!

途中こんな場所もあった。崩落した後が生々しく、大きな滝が印象的。楽しい反面、天候によっては路面崩落や崖崩れも怖い場所だなと思い知らされる。

白神ラインは林道や廃道よりは圧倒的に整備されてはいるけれど、やはりオンロード感覚で行っていい場所ではない。

橋が架かってはいるんだけど、こういう場所って雨の日やその次の日は結構怖いだろうな。天気がいい日を選んで来たので、今日は大丈夫。

楽しい下りはあっという間に終わってしまい、再び登り返す。次の峠は天狗峠で、標高も同じく700mほど。白神ラインの中央に位置する峠だ。

津軽峠までの上りに比べて景色が良い場所が多い。日本のグラベルには珍しく?遠くまで見渡せる場所もいくつかあった。

やはり景色が良いと気持ちがいい!

なぜが所々に舗装箇所がある。

天狗峠到着は16:20。

津軽峠までの上りに比べると路面が走りやすかったが、タイムは変わらず1時間弱。疲労も結構溜まってきた。

 

4.天狗峠~一ツ森峠

天狗峠からはまた400mほどダウンヒル。津軽峠の下りみたいに爽快に!…と思っていたのだが、路面が更に荒れるor深く浮いた砂利ばかりになってしまい、走るのに苦労した。

体力に余裕がある時にはこのグラベルロードもどきでも楽しめるかも知れないけど、疲れも出てきた僕には苦痛の方が大きくなっていく。そして、明るいうちに白神ラインを走り切るタイムリミットも迫ってきた。

この辺も楽しむには、やっぱりもう少し太いタイヤが欲しくなるなぁ…。と思いながらも、今ある装備で何とかするしかないので頑張る。

しかし、ここに来てリアが貫通系のスローパンク…。そんな貫通するようなものが落ちている感じもなかったのに。

痛恨のパンク

すかさず替えのチューブに交換するが、「チューブを傷つけた原因の何か」を探し出すことができなかった。このまま交換してもまた同じことになる可能性が高いが、あまり時間をかけてもいられないのでとりあえず空気を入れて走り出した。

が、予想通り少し走るとまたパンク。これは困った…。

ホヤホヤの糞

そして、ここにきて熊の気配濃厚な区間が。なんか雰囲気あるなぁと思っていたところ、かなり新しい糞も発見。これはさっさと移動したい。

最後の頂上の一ツ森峠までは約100m登れば辿り着く。SPDシューズで歩きにくいとはいえ、登山の感覚から言うと10分少々で歩ける標高だ。ここは安パイに頂上まで進んでから修理することに。パンクを完全に解消して走るより、そのまま歩いてピークまで行った方が確実で早いと判断した。

最後の方はこんな感じの路面

速度が落ちると森のいろいろな音が聞こえてきて、面白い反面、野生動物への恐怖感も増す。

のんびり山歩きは楽しいが、ちょっと時間が押しているのでそうも言っていられない。装備や食料的には全く問題ないけど、熊の森でビバークは嫌だ。

そんなこんなで、最後の一ツ森峠を通過。

これ以上チューブに穴をあけたくなかったので、だましだまし空気を入れたり、バイクを押して小走りしたりで白神ライン最後のダウンヒルをしていった。さすがに硬いSPDソールでトレランは少々無理があったが。

何とか脱出

嬉しいことにゲートのかなり手前から舗装部分が多くなってきたので、頃合いを見てリアタイヤをオンロード用のコルサに交換。ロード用タイヤでも、ダートだってゆっくり慎重にこなせば走れなくもない。

結局、白神ライン出口への到着時刻は18:15、まだ日のあるうちにゲート通過完了!

 

5.走行には十分な準備を

今回、白神ラインのダート区間を走り切るのに約4時間半かかってしまった。アクシデントもあったとはいえ、4時間の予定だったから30分オーバー…。

予期せぬ通行止めは致命的

白神ラインはダートとはいえ路面環境はおおむね良好で、一般人が通行することを前提に整備されている道。そういう意味ではハードルが低い道だと思う。

その一方で、距離が長いのでアクシデントの際にリカバリーが効きにくい。赤石線が通行止の今は、一度入って仕舞えば先へ進むか戻るかしか選択肢がないのだ。

何か問題があって引き返す必要が出た際には、相当な距離を追加で走る可能性もある。しかも、白神ラインを抜けても町まではさらに距離が。

海岸に到着するころには夕焼けに

熊をはじめ野生動物との距離が近いのも危険だが、走り切る体力・装備もしっかり考えなくてはいけないと再認識した。そして、そのうえでチャレンジしてみるには凄く楽しい道だったとも思う。

今日はもう少し先へ進んでおきたかったが、かなり疲れたし日も暮れてきたのでこれにて就寝。今日は距離282㎞、獲得4,840m。これでもちょっと頑張りすぎただろうか。

明日は津軽半島を回って、下北半島へ。僕は海岸で眠りについた…。

つづく

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