ツーリング記

【絶景】乗鞍へゲート開門と同時ヒルクライムしてきた

絶景好きのサイクリストなら誰しもが知る『日本道路最高標高:乗鞍』。標高2,702mからの眺望は文句なしで、マイカー規制があり走りやすいのも嬉しい場所。

その絶景を独り占めしたくて、ナイトライドを駆使し開門と同時にヒルクライムしてきた。

*この記事は2017年の7月のライドです。

<目次>
1.横浜から真夜中の白樺峠へ
2.開門まで輪行袋で震える
3.視界10mの濃霧
4.突然現れた青空と雲海
5.雲の上はいつも晴れ

1.横浜から白樺峠へ

まずは自宅の横浜から乗鞍エコーラインの登り口へと移動。(エコーラインが長野側、スカイラインが岐阜側)一般的にはマイカー規制のゲートまで車で行くようだけど、僕は出来る限り自走で向かう。

乗鞍エコーラインの開門と同時にヒルクライムをしたかったので、前日の予定と相談して終電で塩尻まで輪行、そこからナイトライドで乗鞍に向かうことにした。

塩尻から乗鞍エコーラインまでの道は、安パイな酷道158号ではつまらないので付近の白樺峠を通っていった。獲得標高は増えるけど、せっかくここまで来たのなら存分に楽しみたかった。

残念ながら天気は曇り。星空が綺麗だとナイトヒルクライムが楽しいけど、だんだんガスっぽくなってきて視界も悪く、真っ暗な山道をひたすら走ることになってしまった。

楽しいとは言い難いが、来る乗鞍を楽しみに先へ先へと進んで行った。

 

2.開門まで輪行袋で震える

やっとの思いで乗鞍エコーラインのマイカー規制ゲートへ到着。時刻は予定通りの03:30。

しかし、なんと事前調べで僕が勘違いしていたらしく、自転車の開門は06:00からだった…。

え?え…?嘘でしょ…。と思ったが、06:00までゲートが明かないのも事実…。

ここまでのヒルクライムで汗だくで、クマ注意の看板がある中で待つなんて最悪だ。2時間半、長く苦しい時間を過ごすことになってしまった。

恐怖しなかい

野宿を想定していない装備だったので、ヒルクライムでかいた汗が冷えてもの凄く寒い。既に標高は約1,800m。気温も下界に比べると圧倒的に低く早々に寒さに震える事になった。

寒さをしのぐ術がレインウエアと輪行袋くらいしかなかったので、体育座りで自分輪行袋にすっぽり包まって何とか寒さをしのいだ。

朝方は1日で最も冷える時間。かなりきつかったが、日本道路最高地点の乗鞍を夢見て震えながら耐えた。

 

3.視界10mの濃霧

やっとの思いで迎えた午前6時。いよいよ開門だ。

しかし、期待に反して辺りが深い霧に覆われていた。いいとこ視界10m、開門されたのが不思議なくらいの濃霧だったが、せっかく寒さに震えて耐えたので頂上まで行ってやろうと走り出した。

他の交通があったら、こんな濃霧怖くて走れないレベル。乗鞍エコーライン・スカイラインは交通規制がされているし、自分が一番最初にゲートを通ったのは間違いないので何とか走れた。

どこまでも続く真っ白な世界。あゝ、僕は何のためにここまで来たんだ…。

 

4.突然現れた青空と雲海

数百m登っただろうか、あるとき突然視界が真っ青になった。

自分がいる場所は間違いなく霧が立ち込めているけれど、その霧では隠し切れない快晴が頭上に広がっていた。

ヤケになっていた僕のテンションが、一気に上がる。

もしかしたら、これは。

 

う、雲海だぁぁああ!!

 

そう、僕が今まで走っていたのは眼下に広がる雲海の中だった。

ひとたび霧を抜けると、どこまでも続く真っ白な海がそこにはあった。

雲海から顔をだすのは、名だたる日本アルプスのみ。たぶん今は、標高2,000m以上のものしか見えていない。山々がまるで島のよう…。登山で思い出深い槍ヶ岳もはっきり確認出来て余計に嬉しくなる。

真っ暗な中走り続けた塩尻からの道や、ガタガタ震えた開門までの時間が思い出される。もう最高に気持ちがいい!!!

高地特有の突き抜けた青。

遠くの山々も僕より低い位置にある。そう、この高度感が乗鞍だ。日本の道路でもっとも高い…。

もう、この気持ちよさをなんと表現したらいいのだろう?

平日のこの時間にヒルクライムしている人なんていなくて、文字通りの独り占め。聞こえるのはタイヤが路面を捉える音と、僕の呼吸音だけだ。

もう嫌と言うほど登っているはずだけど、アドレナリンが出すぎて疲労を全く感じない。いや、疲労の峠を越えてしまったのだろうか。

あっという間に最高点に達し、人生最高のヒルクライムが終わった。

 

5.雲の上はいつも晴れ

ここへの道中すごく辛かった。霧の立ち込める真っ暗な峠を、延々と登り続けた。写真が少ないのは何も映らなかったから…。

夜明けまで輪行袋に包まって震えたのも、精神的にかなり応えた。

その分、雲を抜けた快感は大きかった。もう言葉に出来ない感動だった。雲海から伸びる九十九折りが、登ってきた証のようで誇らしかった。

頂上でダラダラしていると、観光バスがちらほら走り出したのでダウンヒル開始。

この後は高松へ抜けて、白川郷→名古屋の予定だから、登ってきたのとは反対側へと降りていった。このダウンヒルが人生でもっも気持ちよかったのは言うまでもない。

下りでも雲海の真っ白区間を通って、無事に高松市街へたどり着いた。この乗鞍ライドの経験が、ロングライドで辛いときの心の支えになっている。厳しい環境の時でも、雲の上は晴れていると思うと頑張れる気がする。

いつもこんなに景色がいい訳じゃないけれど、夢のような世界が待っているかも知れない。その希望が次のライドへと駆り立てる。乗鞍エコーライン&スカイライン、おすすめです。

おわり

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