ツーリング記

【雪山】冬富士登山に海抜0mからチャリで行ってきた~自転車編~

言わずと知れた日本最高峰:富士山。夏には登山者であふれかえるようだが、実は冬にも登れることを知る人は少ないように思う。事実、冬の富士山は完全な冬山。生半可な装備で行っていい場所じゃない。しかしその分、冬には素晴らしい景色が見られる。

その富士山に海抜0mの横浜から登山口まで自転車でアプローチし、山頂の3,776mを目指すことにした。

<目次>
1.コース概要
2.冬山装備をバイクパッキング
3.【自転車】横浜~御殿場口
4.【登山】御殿場口~山頂
5.下山・帰宅
*長くなりすぎたので、4と5は次の記事でご紹介します!

1.コース概要

バイク

今回のコースは、まず海抜0mの横浜から登山口の御殿場口まで自転車で向かう。ルートは走りなれている国道1号を基調に箱根の大平台を経由し御殿場まで。この間105㎞、獲得標高2,200m。登山口の御殿場口からは自転車を降り、一般的な登山スタイルで山頂を目指す。

実は、はじめに思いついたのは『自転車で山頂まで行く』というアイディアだった。しかし冬富士は日によってはエベレスト級と言われるほど危険だし、ルール的にもグレー。そんなリスクは冒せない。

はじめの自転車105㎞は、単純にコースだけで言えば大したことはない。いつものロードバイクならサクッと走って終わりの距離。しかし、今回は厳冬期の冬山登山装備をもって走らなくてはならない。

獲得標高が2,200mと登りが多く、市街地を抜けなくてはならず信号停止も多いから、この重量増加が重くのしかかってくる。登山に備えどれだけ脚を温存できるかがカギである。

登山

登山は、以前にも登ったことがある御殿場ルート。富士山には3つの登山ルートがあるが、御殿場ルートはその中でも群を抜いて獲得標高が高く、標高差は約2,300mだ。夏道の休憩なし標準タイムは8時間ほど。いつもの換算で考えると休憩込み5.6時間といったところか。

ただし冬となると話は別で、風や気温、積雪状況等によって困難な道と化す。登山予定日の12月8日は天気こそ晴れの予報だが、風速が3,000mで25~30m/s。山頂付近では35m/s以上も予想されるから、もしそうなれば登山環境としては厳しい。

去年の富士山。穏やかだった。

 

撤退も考慮し、7合目付近に小屋を風よけにテントを張ってBC(ベースキャンプ)を設営。そののち、山頂アタックをする計画となった。

元は山岳部の登山なため登山口で部員と合流はするが、皆の目的は訓練で登頂ではない。スケジュールも僕はキツキツなので、単独行動が多くなりそうだ。

 

2.冬山装備をパッキング

「自転車で登山に行く」という行為において、最も課題となるのは『大量の登山具をどう運ぶか』だと思う。ザックを背負って走れる人はそれで問題解決だけど、残念ながら僕にはそれは出来ない。サイクリングで何かを背負うのは僕は大嫌いで、パフォーマンスが通常の何割も落ちてしまうのだ。重たい登山装備となればなおさらで、25㎏以上のザックを背負ってそこそこの距離を走るのは身体にすごく負担がかかる。

これ+追加食k量・水・等々

そこで、僕が大好きなバイクパッキングスタイルで極力登山装備を積載した。サイズ的にザックが積めないので本当はキャリア+パニアバックを付けたかったが、MTBに着けられるキャリアを持っていないので苦肉の策。まあ、見た目的にはバイクパッキングの方がかっこいいので良しとする(笑)

サドルバック、フレームバック、トップチューブバック、ステムポーチ、ハンドルバーバック、左右フォーク横バック。持てるバック類をすべて取り付けた。

限界まで荷物を自転車に預けたいので、ピッケルも無理やりフレームに括り付ける。自転車にピッケルが括り付けられてるのって、まず見ない光景だけどなんかカッコいい(笑)

基本の装備はすべてパッキングが出来たが、当日の行動食と予備の防寒具は無理だった。仕方なく、それらをザックに入れて背負うことに。やっぱりこのレベルの積載をするならパニアバックの方が便利だが、夏山ならこのスタイルで十分行けそうだ。(実は以前に日帰り丹沢山行にロードバイクで行っている:【ロードバイク×登山】自走120kmで丹沢山に日帰り登山してみた

 

3.【自転車】横浜~御殿場口

まずは自転車で御殿場口へと向かう。この間105㎞、獲得標高2,200m。明日の登山に備えなるべく脚を温存したいところ…。さて、どこまで走れるか?

12月7日13:18 出発

横浜のみなとみらいを出発。ここから御殿場口の新五合目を目指す。

この景色に似つかわしくないバイク笑

横浜からは、1号線や135号線を用いて小田原まで向かう。走りなれた道だが、重たいバイクと邪魔なザックのせいでなかなか進まない。走りなれているからこそ、相対的な遅さが目立って面白くない。

時間に余裕をもって出発しているので、ここは焦らずのんびり走る。

 

17:34 箱根

箱根温泉街

12月は日暮れが早いので、箱根の登り口に着く頃には辺りは真っ暗になってしまった。ここからが本番、700m登って300m下り、また1000m登る。

ギア比はがロードバイクよりも軽いとはいえ、冬山装備の重量が重く脚にのしかかる。さらにザックのせいでうまくダンシングが出来なかった。シッティングでゴリゴリ登っていけるほど、僕にパワーはない。

ひと踏みするごとに脚が削られていくのが分かる。これはいただけない。

 

19:20 御殿場入り

やっと箱根を越え御殿場へ下る。時折見える御殿場の街明かりがとても綺麗だ。街明かりに向かうダウンヒルって、すごく気持ちがいい。

御殿場の町明かり

初めてこのバイクでダウンヒルをしたが、太いタイヤとサスペンションのおかげで安定感がすごかった。しかしトップのギア比が低いので下りで回せず、ペースを上げることが出来ない。目標ペースより大幅に遅れてしまった。

御殿場市街を抜け、登山口へ向かう。最後のセブンイレブンで買い出しをして、さらに重くなったザックを背負いノロノロと800mのヒルクライム。

 

22:02 トンネル到着

御殿場口へのトンネル前にて

ラスト300mUPが本当にキツくて、両脚に乳酸がたまっているのが良く分かった。踏んでも踏めず、速度は6km/hほどと歩きと大差ない。時折水のみと称してザックをおろして休憩。この程度の坂で足つきは情けないが、今は限界突破して追い込んではいけない。脚へのダメージを最小限にしなくては。

⇧の看板で冬場は通行止め。車はこの先入れないが、歩行者や自転車なら物理的に立ち入り可能。新五合目はさらに100mほど登ったところなので、夜のうちにそこまで進んでおく。

 

22:28 御殿場口到着

登山道の入り口に到着。ここに自転車が並ぶなんて異様な光景である。今夜はここにシェルターを設置して就寝、明日の朝から登山開始だ。

ここが登山道入り口

適当な場所にシェルターをたて、就寝準備に入る。明日からの登山に備え、パッキングも順次済ませておいた。今のところ風はなく、天気も良い。気温も0℃前後なので、寝やすそうである。

 

23:00 就寝

寝る用意も整ったので、さっさと休息を。

もうすでに脚はパンパン。余裕のはずだった自転車でこんなに脚を使うなんて誤算だった。身体が冷えないうちにストレッチをしつつ、頼むぜと願いを込める。

明日朝から登山だというのに、こんなことで大丈夫だろうか?そして天気予報は、相変わらず強風で登山には適さない様子。脚力や体力がもし予定よりもダメだったら、登頂を目指すのは危険だろう。これは撤退の色も濃厚か…?

まあ、僕はやれることをやるだけだ。どうなるかは、明日になってのお楽しみ。

 

つづく

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