ツーリング記

ロードバイク北海道一周まとめ|2,460km/8日2時間の記録

2018年夏、かねてからの目標だった北海道一周をしてきました。

『北海道一周 自転車』というワードは同じでも、その達成の仕方には様々な形があると思います。たとえば、気の向くまま走る旅系ライド。重い荷物を積み時には後戻りしたりしながら達成する、出会いや発見を重視した形です。

一方、走りを重視する形もあります。それに代表されるのが「ブルべ」というサイクリングイベントで、制限時間内に長距離を走破することを目的としています。

僕のスタイルはというと、完全に後者。タイムを意識し、孤独と苦しみの先にある、絶景を求めて走る。この記事では、そんな僕が北の大地を走った約8日間の概要をまとめていきたいと思います。

*各項目が長文になるので、詳細記事のリンクを随時更新していきます

<目次>
1.ルート
2.装備
バイク系ウエア系テント泊装備
3.費用
4.走行記録
1日目:函館~島牧(白神岬、ヒグマ遭遇)2日目:島牧~札幌(神威岬、黄金岬)3日目:札幌~稚内(オロロンライン、オトンルイ風力発電所)4日目:稚内~網走(宗谷岬、オホーツクライン)5日目:網走~根室(知床峠、天に続く道、開陽台)6日目:根室~帯広(納沙布岬、タンチョウ遭遇)7日目:帯広~日高(十勝平野、襟裳岬)8日目:日高~鹿部(洞爺湖、台風21号)9日目:鹿部~函館(ラストスパート)
5.走行ノウハウ
補給の取り方ペーシング疲労防止策
6.予測と実際のギャップ
道路状況天候野生動物
7.まとめ

1.ルート

まずはライドの概要から。北海道一周というからには、基本的に海岸線を一周する。

ルートを考えるとき意識するのは、自転車が走りやすい道を通るということだ。しかし、土地勘のない場所ではこれが難しい。そこで参考になるのが、先ほど紹介したブルべのコース。今回は国内ブルべの最高峰「Around Hokkaido2400」のルートをトレースさせていただいた。

実際に走ったルートはこちら。(グーグルマップのタイムライン履歴をもとに作成)

函館を起点に、時計回りに一周。色は日付ごとに変えていて、1日あたり約300㎞ずつ走っている。

コース概要

・走行距離:2,460㎞

・獲得標高:17,142m

・目標時間:215時間(ブルべの認定タイム)

・完走時間:194時間(8日2時間)

 

 

2.装備

装備を語るとかなり長くなってしまうので、ここでは簡単に。詳しくはリンク先の記事をご覧ください。

バイク系

テント泊でも軽く速く

いつものカーボンディスクロードにバイクパッキングスタイル。重量をなるべく抑えつつ、テント泊に必要な装備を積み込めるだけの容量を確保している。

積載量は18L重量はバイクも合わせて15kg程度

今回の肝となったのは、平坦コースで役立つDHバー。空気抵抗を減らし巡航スピードを上げてくれるのはもちろん、ポジションが増え体の疲れを軽減してくれた。(使用したDHバーについてはこちらの記事へ

ウエア系

この服装に雨天時は上下レインウエア

ライドを行ったのは8月後半~9月前半天気予報では気温12℃~25℃なので、本州での春や秋をイメージした装備にした。

全体的には裏起毛のジャージ+レインウエアという構成で、結果的にはこれが非常に良かった。暑すぎず寒すぎないウエア選択は、ロングライドにおいて必須である。ウエア・テント泊装備のまとめはこちら

テント泊装備

U.L.系ギアでも快適に

僕は常々複数日のライドではテント泊をしていて、今回の北海道でもそのスタイルで走った。

テント泊で必要になるのは、テント・マット・シュラフなど。ある程度の容積と重量を取るものの、テント泊装備全体で約6L、重量2kgとかなり軽量の部類だと思う。ウエア・テント泊装備のまとめはこちら

 

3.費用

遠方への長距離ライドでは、かかる費用もばかにならない。

僕はお金がないので、とにかく走ることに集中しグルメやお土産には一切出費しなかった。また、宿泊も野宿や道の駅でのテント泊なので0円。

セイコーマートさん大変お世話になりました。

結果、北海道での費用は8日間で約3万5千円となった。

北海道への往路も、横浜の自宅からテント泊などで自走しているので3日分の食費で1万円+フェリー代4千円。復路はフェリー+新幹線輪行で2万円ちょっと。

北海道までの交通費や食費など、すべて合計で7万円程度自転車で北海道一周をすることを考えると、安い方ではないかと思う。

 

4.走行記録

詳しい記録は、日付ごとに別記事にまとめていくので、リンク先からご覧ください。概要は下記のとおりです。

1日目:函館~島牧(白神岬、ヒグマ遭遇)

距離 246.6㎞|獲得標高 1,563m|グロスタイム 11時間42分

初日はスタート地点の函館から島牧まで。出発直後に雨とパンクに見舞われるも、後半は天気が回復し気持ちのいいライドに。早速北海道の景色を堪能した。2018年は島牧市でのヒグマ出没が相次ぎ、要注意区間となっていた。その島牧市の隣であるせなた町付近で、まさかのヒグマと遭遇!初日から大事件であった。

 

2日目:島牧~札幌(神威岬、黄金岬)

距離 323.5㎞|獲得標高 2,564m|グロスタイム 16時間03分

目標としていた1日270㎞に及ばなかったため、距離を伸ばして借金返済。有名な神威岬(かむいみさき)や黄金岬を通り、札幌市まで走った。天気も良く、ニセコのヒルクライムや有名な岬が連なる海岸線を堪能した。

 

3日目:札幌~稚内(オロロンライン、オトンルイ風力発電所)

距離 318.3㎞|獲得標高 1,875m|グロスタイム 14時間49分

北海道を代表するツーリングスポットのオロロンライン。湿原、風車、海、無限に続く平たん路…。ザ・北海道を楽しんだ1日。向かい風がありながらも、寝床の関係で300㎞越えのライドになってしまった。

 

4日目:稚内~網走(宗谷岬、オホーツクライン)

距離 302.3㎞|獲得標高 1,568m|グロスタイム 13時間45分

ついに日本最北端の宗谷岬へ。その後は網走の手前まで追い風で、パンク修理を2回してもかなり早いペースで走ることができた。しかしサロマ湖周辺から蚊が大量に発生し、殺虫剤を調達する事態に。夜は雨にも打たれ、疲弊した1日だった。

 

5日目:網走~根室(知床峠、天に続く道、開陽台)

距離 267.4㎞|獲得標高 2,439m|グロスタイム 13時間40分

北海道始まって初めて雨に打たれなかった1日。天気が良く、名所中の名所である天に続く道や開陽台の絶景を楽しんだ。景色が良すぎて写真をとるついでにダラダラしすぎてしまい、距離は控えめになった。

 

6日目:根室~帯広(納沙布岬、タンチョウ遭遇)

距離 333.4㎞|獲得標高 2,517m|グロスタイム 16時間28分

根室や釧路湿原の絶景にテンションが上がり、向かい風ながらも距離を伸ばすことができた。特別な絶景ポイントがあるというよりも、延々に絶景の中にいる感じ。タンチョウに出会い、プラネタリウムのような星空のナイトライドも。夢のような1日。

 

7日目:帯広~日高(十勝平野、襟裳岬)

距離 307.2㎞|獲得標高 1,632m|グロスタイム 14時間19分

雨と悪い路面で精神的に参ったが、後半の追い風に助けられ300㎞を超えることができた。北海道一周の積算距離が2,000㎞を突破し、ゴールの函館が見えてきた。

 

8日目:日高~鹿部(洞爺湖、台風21号)

距離 277.9㎞|獲得標高 2,375m|グロスタイム 13時間59分

関西に大打撃を与えた台風21号の接近に伴い、北海道も大荒れに。ラスト400㎞を切っていたので一気にゴールしたかったが、後半から10m/s以上の猛烈な向かい風+雨。踏んでも踏んでも進まず、走行が危険となったので急きょ鹿部にて就寝。

 

9日目:鹿部~函館(ラストスパート)

距離 88.5㎞|獲得標高 606m|グロスタイム 3時間50分

強風は残っていたものの、雨は止んでくれた。ラスト100㎞を切っていたので、一気に飛ばして函館ゴールへ。タイムは194時間と、当初の目標をしていた215時間切りを果たすことができた。やったね!

 

5.走行ノウハウ

平均で毎日300㎞以上のライドは初めてでしたが、過去に行った200㎞~250㎞ペースのツーリングでの経験が生きました。端的にまとめると『よく寝て、よく食べ、楽しむこと』。当たり前のことですが、これを確保するのが難しいのが長距離ライド。詳細記事はこちら

この記事では抜粋して簡単に。。

補給の取り方

セコマ食をコンプリートするのを目標にしたり笑

まず欠かせないのが補給、つまり食べること。どんな車もガス欠では走れないように、十分なカロリーを摂取する必要がある。

今回食事はすべてコンビニで賄い、50~100㎞に1回のペースで1000kcalの食事(カップ麺やパスタ、弁当など)をし、次の食事までの間はチョコバーを中心に500~1000kcalを補給した。

時間効率だけを考えると、食事をとらずに常に走りながら補給するのがベスト。だが食事には精神的な楽しみと、いったん空腹状態になることでライドにリズムが生まれるメリットがあると思う。

 

タイムマネジメント

なるべく早く・正確に

北海道一周では、キャノンボールのような単日に出し切るのではなく、1週間以上の連続したパフォーマンスが求められる。そのためには目標距離を走るためのライド時間のほかに、睡眠、余暇(気分転換)、生活(入浴や洗濯)が必要だ。

グロスAv.20㎞/hで300㎞走ると15時間。残り9時間を睡眠、余暇、テント設営・撤収、バイク整備に割り当てる。睡眠と余暇は長いほど良いので、テント設営・撤収とバイク整備は必ず時間を測って行い、可能な限り削った

 

疲労防止策

僕の脚力は決して高くはないので、300㎞走れば十分疲れる。それでも翌日も翌々日も同じ距離を走るためには、疲労を減らす工夫が必要だ。

まずは基本のストレッチ就寝前とライド前はもちろん、走りながらも積極的にストレッチを行った。また毎朝初めの40㎞でアップをし、ダンシング~TTまですべてのポジション・パワーで体の状態をチェックした。張っている場所はどこか、どのポジションが楽か、どんなペースが適切か…。

それら体の情報と天候情報をもとにその日の予定を決め、決して無理をしないよう気を配った。

 

6.予測と実際のギャップ

道路状況

海岸線のアップダウンも絶景に見とれ疲れない

北海道といえば『どこまでも続く平坦路』をイメージする方が多いと思うが、実際にはそこそこ獲得標高があり、完全な平坦は少なかった。道が単調すぎて飽きるのではという懸念は無用であった。

また、交通量については大型車が多く注意と聞いていたが、本州の地方主要国道に比べれば微々たるもの。ドライバーも距離を取って抜いてくれるため、恐怖感は全くなかった。ただし、海岸線は数㎞の長いトンネルがたくさんあるので、常にライトの準備は必須である。

天候

レインウエアを着るか悩むシーンが多々あった

気温や体感温度は予測通り。しかし、天気については予報に出ない雨が多く、峠や岬を越えると天気が急変するシーンが多々あった。たとえ天気予報が晴れでも、いつ雨が降ってもいいようにしておくのが賢明だ。

野生動物

クマが出るのは知っていたが、まさか自分が走っているときに遭遇するとは思わなかった。夜間走行は注意とは聞いていたものの、僕がクマを見たのは昼過ぎである。

北海道ではクマに限らず、人と野生動物の距離がとても近いのを感じた。街を離れれば当然のように動物がうろうろしていて、自然の中にひっそりと人間の住処があるという感じだった。そのおかげでクマに遭ってしまったが、タンチョウやオコジョなどの珍しい生き物に出会うことも出来た。(シカやキツネはたくさんいた)

 

7.まとめ

以上、僕のスタイルで走った北海道一周についてまとめてみました。

自転車乗りの聖地ともいわれる北海道。「そんなの大げさでしょ」と内心なめていましたが、本当に美しい場所でした。空の青や海の青は本州のそれとはまったく違い、湿原が続く海岸線を走りぬける感覚は、まさに異世界。帰ってきたばかりなのに、また走りたいと思っています。

この記事ではライドの概要をメインにまとめているので、僕が見てきたものについては触れていません。よろしければ、4.走行記録のライド記事もご覧ください。

僕は走りを重視し北海道を一周しましたが、グルメ重視で走ったり、他の旅人との交流をしたりと、楽しみ方は無限だと思います。自転車乗りの方は、ぜひ一度北海道を訪れてみてください。

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北海道胆振東部地震で被災された方々にご冥福をお祈りします。また、大好きな北海道・被害を受けた住民の方々の一日も早い復興を願っております。

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