ツーリング記

九州ライド⑤-九州最南端「佐多岬」で日の出を迎える1日

目が覚めて、絶望した。

予定では、03:00に起きて03:30に出発、余裕を持って日の出を迎えるはずだった。

 

時計を見ると04:10。

完全に寝坊した。日の出時間は06:30ごろ。撤収時間もあるから、2時間以内に佐多岬まで走りきらないといけないことになる。コースは45km、獲得標高500mほど。余裕はないけど、飛ばせばギリギリいけるはずだ…!諦めるのはまだ早い!

 

朝ごはんを食べながら急いで撤収し、バイクを走らせた。普段から時間を意識して撤収しているから、考えるよりも先にパッキングが進んでいく。ああ、いつも急いでおいてよかった。

道の駅を出たのは04:30。日の出まであと2時間。うん、イケるはずだ。あとは死ぬ気で走るのみ!

 

天気は快晴だという事が、辺りの明るさからすぐに分かった。明かりのない場所では、星や月の明かりは想像以上に明るいものだ。下ハンを握りしめ、息を切らして走り続ける。時折辛さで悶えるが、空を見上げ、星々に癒され、最高の朝日を思い描いて、また踏み始める。

 

残りあと5km。そこからの登り区間がキツイ。もっと脚を残しておくんだった。後悔しつつも、そうはいっていられない。東の空は淡い青色へと変わっていた。もう時間がないのだ。

 

そしてあと数百mというところで…

あぁ…美しい…

どうやらジャストタイミング。太陽が顔を覗かせていた。

そう、間に合ったのだ!

これが見たかった。

達成感に浸りながら、朝焼けを眺める。

きっと忘れない景色の1つになるだろう。

佐田岬灯台とパシャリ
モニュメントがカッコいい。

飛ばした疲労と寝不足で、朝からすでにバテバテだ。もはや今日の目標は達成した。笑

ネットの情報では行けるのか曖昧だった佐多岬灯台だが、展望台と駐車場の様なスペースから先は工事中となっており、灯台付近まで行く事は出来なかった。

しかしここからでも、十分な景色だ。

よくもまぁ、ここまで来たなと思う。大学に入って自転車と出会い、少しずつ日本地図が埋まっていって、今、南の端は制覇した。(沖縄はまだだけど)

よし、今年の夏は北海道に行こう。

すっかり明るくなってしまったので、今度は阿蘇に向けて出発だ。

景色が良すぎて、なかなか進まない。

九州の海と空は、本当に綺麗だ。どうしてこういう青なんだろう。

お腹がすいて来たけど店も何もないので、道端の農家さんがやっている販売所(と言っても無人の、ちょっとした台に果物や野菜とお金を入れる缶が置いてあるだけのもの)でデコポンを買って食べた。

もう何も望むまい。

この景色を見ながら食べるデコポン。言うまでもなく、最高に美味い。

3つセットでしか売っていなかったから、最初買うのを躊躇したけど、その心配はいらなかった。一瞬で3つがなくなってしまい、この先のおやつにまた3つリピート。ハードシェルのポケットが重くなった(笑)

おいしいものを食べて気分は上場だが、寝不足なうえ今朝消耗した体はあまり言うことを聞いてくれない。いいさ、今日はもうゆっくり走ろう。

とにかく景色がいいから、デコポンをつまみながら休憩しまくる。もうじきこの海岸ともお別れをして、阿蘇へ走り出す。ああ、今から楽しみだ。

実は桜島が噴火していた

この後は鹿屋⇒志布志⇒都城⇒宮崎へと走った。

鹿屋に入ってからは、海とはお別れしてひたすら台地を進む。大きなアップダウンもなく、平地をとにかく淡々と。

九州に入ってからひそかに思っていたことだけど、菜の花畑をよく見る。畑の隅っこや民家の裏、線路の周りなど、いたるところに生えていた。一面の黄色と一緒にパシャリ。

夕方には、道の駅「おおすみ弥五郎伝説の里」にて温泉にはいった。お風呂自体はかなり小さいのだが、大人300円で入れるのはありがたい!のんびり浸かって、疲れた体を癒す。

この道の駅はめちゃくちゃ大きいうえ、道路から離れた所ならさほどうるさくもないので、道の駅泊にはもってこいの場所だ。(寝る前に許可はとりましょう)

是非ここで寝たいのだが、もう少し進んでおきたかったので諦めた。旅系スタイルのツーリングって、よさげな寝床を見つけた時に「ここで寝てしまうか?いや、この先まで進んだらもっといい寝床があるかも知れないぞ?」という葛藤にかられることがしばしばある。

そんなときに優秀なのがGoogleマップのストリートビューや投稿された写真たち。これらで詳細を確認することが出来るのでかなり便利だ。今回は先を急いでいるのでお風呂から上がって即出発。宮崎の手前まで行って寝ることにした。

 

寝床に到着したのは21:00頃。思っていたよりも時間がかかってしまった。

テントの中で、明日以降の予定について考える。というのも、明日の夜から4日間連続での雨の予報なのだ。本来であれば明後日に阿曽入りし、2日かけて阿蘇を回るはずだった。しかしあいにくの雨。

雨天時の高原ライドは何度か経験があるが、控えめに言ってむちゃくちゃ辛い。雨宿りできるものも少ないし、木々がないから風に吹きさらされる。高原の醍醐味であるはずの景色も霧に包まれ何も見えず、ひたすら繰り返すアップダウンに脚がじわじわ削られていく…。自分を試しに行くライドならもってこいだが、今回は綺麗な景色を見るために来たから走りに行く気がしなかった。何より、着替えもないのに濡れたウエアを乾かす場所が阿蘇にはないというのが問題だった。

小雨+霧のビーナスライン

僕が出した結論は「明日の朝からオールナイトで走って、宮崎⇒阿蘇⇒博多。」だいたい400kmの道のりで、阿蘇さえ越えてしまえば下り基調だから何とかなるだろうという計算だ。そしてこれなら、深夜になるものの雨が降る前に阿蘇を抜けられる。もし曇っていなかったら、満天の星空の中阿蘇の高原を走れるかもしれない。少しでも希望があるなら、そっちに賭けてみようじゃないか!

 

予定が決まったところで、早速寝に入る。このテントにもかなり慣れてきた。ここ1か月で、3週間近くはこのテントで寝ていたことになる。もはや家がどこか分からなくなってきた。(笑)

さて、明日はどんな1日になるのだろう…。

つづく

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