装備レビュー

【徹底レビュー】ブラックバーン Outpost カーゴケージを導入して3000km走ってみた

今流行のバイクパッキングスタイル。

僕もそのカスタムの自由さや走りの軽さに惹かれて導入し、今や欠かせない存在となっている。ロードバイクにはちょっと変わり種なこの「ブラックバーン Outpost カーゴケージ」だが、これを導入することによってさらにカスタムの幅が広がり、快適で幅の広いライドが可能になった!

今回はこの「ブラックバーン Outpost カーゴケージ」をレビューしていきたい。

<目次>
1.積載の限界
2.本製品を導入へ
3.詳細スペック
4.カーボンフォークへの取り付け
5.実走結果
6.欠点

1.積載の限界

ロードバイクにバックを取り付ける際、積載量を確保できるのは

①大型サドルバック

②ハンドルバーバック

③フレームバック

の3つ。それ以外にも、トップチューブバックやステム脇のポーチなど小物の積載は可能だが、ある程度大きな荷物となると上記3つのどこかに積載しなくてはならない。

ここでまず問題になるのは、長期ツーリングやキャンプ装備の際に荷物が増え、そもそもの限界積載量を越えてしまうこと。①+②+③以上の積載が出来ないため、やむなく断念していたライドがあった。(大型のシュラフなどが必要な冬季や補給の少ない地域でのツーリング)

そして、積載できたとしても重い荷物を入れてしまうとロードバイクの重心が上がってしまい、挙動が不安定になりやすい。平たん路ならまだよいが、ある程度登りがあるコースの場合、ダンシングをしたくても思うようにバイクを揺らせないため非常に苦しい想いをしていた。

 

2.カーゴケージをフォークに搭載

そこで僕が出した結論は、フォークに荷物を積載すること。ロードバイクのフォーク外部は基本的にクリアランスを気にする必要がなく、アクセスもいい。重心を下げられるうえ、常に目視で状態を確認できるからトラブルにもすぐに気づくことが出来る。

問題は、フォークへの固定方法だ。直接縛るなどの方法では流石に危険なので、今回は「エリート Bottle Cage Supoet VIP」というものを用いてフォークにボトルケージ用のねじ穴を仮設し、そこに「ブラックバーン Outpost カーゴケージ」を取り付けた。

ちなみにこの「エリート Bottle Cage Supoet VIP」は、ダウンチューブ下にボトルケージを増設し、ツール缶を収納するのにも使っている。耐久性や固定力はなかなかgood。2つのロードバイクで約2年、計15000kmほど使用しているが、特に問題はない。

2020/02/14:追記

 

 

3.詳細スペック

 

スペック

・構造:6㎜アルミチューブ+ストラップ

・重量:164g(ストラップ込み)

・サイズ:縦195㎜*横100㎜*奥85㎜(実測)

・ベルト長:590㎜*2本

・耐荷重:MAX 4㎏

・一般的な68㎜ピッチの2穴ボトルケージ穴に対応

 

大まかなスペックはこんな感じ。持った感じは軽いわりにカッチリとしている。耐荷重4㎏なだけあって、しっかりと作られている印象だ。

バイクに取り付けるための穴は3種類用意されており、好みの高さに32㎜程度の範囲で調節可能。一般的な2穴に対応しているので、多くのバイクで使用可能だろう。

付属のベルトには緩み・滑り止めのシリコン素材が編み込まれているのがいい感じ。実際に締めてみても、緩む感じはしない。

ベルトは590㎜と長めなので、お好みでカットして使えるという感じだろうか。私は余った部分をケージの端にさらに結び付け、末端処理を行った。付属のベルトは2本だが、本体にベルトを通すスリッドは3本あるので、好みで追加もできる。

ベルトの内側にはグレーのシリコンが。

 

4.カーボンフォークへの取り付け

今回使用するバイクは「Specialized Roubaix SL4 comp disc」。フルカーボンモデルなので、負荷がかかりすぎてクラックが入る、なんてことにならないように注意が必要だ。

取り付けの際には、ホームセンターで買ってきた1mm厚のゴムシートを適当なサイズにカットして、フォークに予め巻いておく。こうする事でフォークに傷が付きにくくなり、締め込んだ際にもゴムがクッションの役目をしてくれるため多少安心。なにより滑り止め効果があるのが素晴らしい。

(↑フォークの白いものはゴムが足りなくなったため挟んだ布切れ)

あとは説明書通りに「エリート Bottle Cage Supoet VIP」を取り付け(①)、その上に「ブラックバーン Outpost カーゴケージーを取り付けるだけだ(②)。

カーボンフォークへの積載重量は、フォークの形状や使用環境により異なると思うが、今回取り付けたのは輪行道具一式+α(重量700g程度)だ。固定してみた感じは特にぐらつく事もなく、フォークに無理な力がかかっている感じもしなかった。

 

5.3,000km走ってみた結果

上記取り付け方法で、雪道ライドの800km紀伊半島一周の1000km九州一周の1200kmの約3000kmを走ってみた。因みにこの間、一度もケージを外したりすることは無かった。

結論から言うと全く問題なく使用でき、快適なライドをサポートしてくれた。一度もケージを外さなかったのは問題がなかったからで、ネジの緩みなども起こらなかった。

長距離使用によるダメージも見たところほぼ皆無で、付属のストラップが多少伸びてしまった程度である。これは非常に優秀。天候は晴れ〜雨、気温はー10℃〜25℃と過酷な環境だったにもかかわらず、懸念していたストラップの緩み止めのシリコン素材も壊れる事なく機能し続けた。

この緩み止めのシリコン素材のお陰か、1日200〜300km程度の走行を繰り返していたが、朝緩みがないか確認しておけば、1日走った後でも緩んで危険が生じることは1度もなかった。

厳しい環境でも耐えてくれた

フォークへの取り付けについては、信頼していた「エリート Bottle Cage Supoet VIP」だったが、最後のライトを終えて輪行し帰宅している時に、ケージにすこし無理な力を加えてしまった際にバンドが切れかかってしまった。

この状態でだと、固定は出来ているものの多少ブラックバーンのカーゴケージがぐらつき不安感が拭えない。そこで、長さに余裕があったブラックバーンの付属のベルトを、フォークに一周巻いてから締め付けることでフォークへの固定を強化した。こういうイレギュラー時に対応できる余裕があるというのもポイントが高い。

フォークに巻き付けて対応した

フォークへのダメージは、見たところクラックなどの致命的なダメージは皆無だったが、滑り止めのゴムとフォークの間に入ってしまった微小な砂が付けた塗装への傷がいつくか見られた。こういう細かな傷は使い込んでいくうちについてしまうものだから僕は気にしていないが、どうしても気になる方はより密着性の高いシールのようなもので保護をする必要がありそうだ。

*但し、同じように使ったからと言って確実に大丈夫と保証できるわけではないので、ご使用は自己責任で。

肝心の走行性能は、期待通り重心を下げることが出来て走りやすくなった。また、ダンシングの際のバイクの振りやすさは格段に上がった。しかし、今回は予算の関係で右側のみにケージを設置したが、それが左右の重量バランスを崩してしまう事につながった。他のバックへのパッキングの仕方を工夫する事で多少改善が見られたが、理想的には左右のフォークに取り付けるのが良いだろう。

使い勝手は、荷物の着脱ベルトを締めるor緩めるだけなので割と良い。フォーク外側というものアクセスしやすい場所なので、例えばレインウェアや予備のドリンク類など、比較的使用頻度が高いものを入れても良いかもしれない。信号待ちの際にササっと、という用途には向かないが、休憩の際に使うものなら下手にサドルバックやフレームバックの底に入れはよりよっぽど良い。

場所的に路面からの汚れが酷いかと思ったが、予想よりは少なく、悪天候でない限り特別問題はなかった。

 

6.その他の使い方

もちろん、フレーム内側の通常のボトルケージの台座に付けて使用する事も可能だ。大きめの輪行袋や、ウエアなどを入れたドライバック、水筒など、円筒形の物であれば基本的に何でも取り付けられるので、汎用性が高いアイテムなのは間違いない。

フレームの内側に付けた感じは、思っていたほど幅がなく、脚に当たることは無かった。また、仮設のダボ穴とは違いフレーム据え付けの穴に取り付けることで、剛性感が増し安心して重量物の固定も出来そうだ。

注意したいのは装着するものの幅で、あまり幅広のものを付けてしまうと脚に当たってしまう点。それさクリアすれば、気軽に様々なものを持ち運べる筈だ。ただフレーム内側に付けるのなら、フレームバックを買ってしまった方が使い勝手が良いのでは?と個人的には思ってしまう。もちろん、スタイルは人それぞれだが…。

フォークに取り付ける事を考えた際に、他に持ち運べそうなものは

・ドライバックに入れたウエア類
・予備の水
・クッカー+ガス缶+ガスヘッド一式
・1人用テント+マット
・夏用シュラフ

あたりが妥当だと思う。理想的には左右に配置してバランスをとり、ドライバックに入れたシュラフ+テント系など、重さの変わらないものを装着したい。(例えばこんな感じ↓)

 

7.欠点はないのか?

このまでべた褒めしてしまったが、そのくらい使い勝手が良いアイテムだった。現状の使い方では、全く欠点らしいものが見当たらない。

欠点を何か挙げるとするなら、付属のベルトがワンタッチで着脱できるバックルになっていたら良かった、という事だ。もちろん自分でベルトを買ってきて使う事も十分可能な構造なので、カスタムしたい人は好きなものを使えばいいのだが、付属品でワンタッチの構造だったらもっと嬉しかった。

2020/02/14:追記

はさみでベルトの先端を斜めにカットし、ほつれ防止のためにライターで少しあぶっておけば、着脱がかなり楽になるのでおススメだ。また、ベルト単体で見るとこちらの方が高性能なので気になる方は合わせて使うと幸せになれるはず。

 

その他については、正直思いつかない。ニッチなアイテムで必要とする人は多くはないと思うが「もう少し荷物を積みたいなぁ」なんて思っている方は、使ってみると私のように幸せになれるかもしれない。気になった方は是非お試しを!

おわり

*2020/01/20:画像サイズの調整や、誤字脱字の修正を行いました。

2020/02/14:追記

このBlackburnのカーゴケージは、この記事を書いた後にも長らく使用してきた。特に過酷な環境としては冬季北海道1,000㎞キャンプツーリングで、そこでもきちんと役割を果たしてくれ、更に信頼性が増した。旅のまとめや装備についてはこちらからどうぞ。

 

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